世界の野良サイト当「たんさんタワー」はいつもあえての様々なテーマで基本毎日新記事をアップさせていただいていますが、今回は3日連続でのゴルフ記事をお許しください。
そして、今回多くの方に新読者になっていただいたようです、ゴルフ以外の記事も多いですがぜひ末永くお付き合いいただければうれしいです。


さて、歴史的快挙の余韻なのですが、早藤キャディ最終ホールでのコースへの一礼が世界的に驚きをもって受け取られているようです。
最終日の18番ホールで、松山選手がウイニングパットを決めた後のことだ。早藤キャディはピンを戻した後にキャップを脱ぎ、一礼した。
ゴルフ専門メディア「GOLF.com」のライターはTwitterで、「すごい光景だ」とコメントを添え、早藤キャディの写真を投稿した。
スポーツ専門チャンネルESPNはTwitterで、一礼する様子をおさめた動画を投稿。写真や動画には、「キャディは信じられないほどの敬意をあらわしている」などと、賞賛するコメントが相次いでいる。 松山英樹選手、キャディの行動でも世界に感動広がる。帽子を脱ぎ、一礼を...松山選手とともに闘った早藤将太キャディがとった行動に注目が集まっています。
そういう意味では、歴史的な祖先たちのバランス感覚、もっと具体的には「宗教なんかクソくらえ」と非情なリアリストとして宗教勢力をつけあがらせなかった織田、豊臣、徳川の政策は今の日本人をとかく偏狭になりがちな宗教的価値観から解放してくれていてありがたい限りといつも感謝しています。

逆に言えばそりゃあ八百万の神々ですからね。「イワシの頭も信心から」つまり、どんなものだって神様が宿っているという感覚は日本人ならば分かるはずです。
オーガスタナショナルとは言えゴルフコースという無機物に対する感謝など、西洋的合理主義からは理解できないに違いありませんからこんな現代になってさえも神秘的な日本人の感性はやはり珍しいものに映ったに違いありません。
でも早藤キャディの頭抜けたポライトネス。グッドマナーは世界の誰にも伝わったようです。
厳しい戦いのあと歓喜の極みに放たれた、ある種の静寂。
勝ちを誇り歓喜することを超えた感謝。
誰にと聞いてしまえば野暮でしょう。そこに具体的な答えはないに違いありません。自然、宇宙、運命、森羅万象、あえて言えば「神様への感謝」としか言いようがないのでしょうが、その「神様」はもちろん特定の神様でありはしないはずです。
筆者は現実的な政治経済に対するスタンスは非常な現実派でやはり保守主義的な右派の考え方に近いかもしれません。防衛も外交も産業も貿易もお花畑な理想主義では生き残りようがないと考えています。一方で人権や自由に対するスタンスは、かなり激しく徹底的に個の尊厳、権利が尊重されるべきと考えています。そういう意味では左派的でもある。日本の野党の名ばかりのリベラルではありません。


でも、適度、穏健なものであればもちろん人類文明としての宗教観全般やお行儀作法を教えることはもちろん親や教育者の義務に違いありません。この早藤キャディ、松山英樹選手の母校東北福祉大の先生が今回の快挙を受けテレビに出られていましたが、非常に人間味あふれる方で、ああこういう方の指導から自然に身に着いた構えなのだなと合点がいきました。
そんな早藤キャディの謙虚さや自然体が松山英樹選手の勝利に貢献したことは間違いありません。尋常でなく繊細な松山選手の気に障らない本質的な何かを彼は備えているように見えました。
そしてもう一人、ザンダー・シャウフェレ。何せ世界ランキング6位の強豪です。どの瞬間も優勝を諦めることはなかったに違いありません。最終日サンデーバックナインの猛追はそんな彼の実力をまざまざと見せてくれましたし、16番の池ポチャで万事休すという局面でもあくまで静かな自分への怒りを燃やす姿にはまさに戦士のそれでした。
でも彼の戦いぶりはあくまで一貫してフェアでした。日本で生活したお母さんの影響もあるでしょう、彼自身渋谷で過ごした時期もあるとのこと、必ずしも分かりやすいタイプではない松山英樹選手の最大の理解者だったと思います。
もちろんどんなに打数に開きがあっても絶対勝ちを譲る気はなかったと思いますが、あくまで松山を励ましつつ自分との戦いに徹している姿は、これぞゴルフで求められるフェアプレーの精神かと教えられる思いがしました。
私の今回マスターズ2021でのベストショットは、3日目15番ホール、二人ともにイーグルのときに自然とグータッチした瞬間。
これが最も今大会での美しい瞬間として記憶に刺さっています。(それにしてもペアルック?というほどの微笑ましさよ)
世界で戦うための最大の武器は、もしかしたら「グッドマナー」「ポライトネス」かもしれません。厳しい壮絶な競争、死闘が前提であるからこそのプレイヤー、人間としての信頼感。これがなければ土俵にさえ立たせてもらえないのかもしれません。
実際に筋骨隆々のアングロサクソン、野蛮と言って良いほど激しい彼らの、日常生活でのジェントルマンぶりにはビジネスの現場でも往々驚かされますが、激し過ぎるぶつかり合いが前提だからこそのグッドマナーがむしろ必然要求されるのだと思います。そうでなければ原始時代と変わらない世界に我々の世界はなってしまいます。
振り返れば、必ずしも松山英樹選手自身、あまりマナーが良いとされなかった時期もあります。
ゴルフに集中し繊細になるあまりのスロープレーやぶっきらぼうな態度。意図せざるものだったかもしれませんが、そんな欧米人中心の世界では顰蹙をかった時代もあったように思います。
でも彼は成長しました。選ぶ言葉も立場にふさわしいものになりつつあります。20代の彼は間違いなく、激しい鍛錬、勝負の中で成長してきたのです。
誰だって、若気の至りはあります。というよりも至らないのが当たり前。
オーガスタナショナルの創設者、高邁な人格者として知られる球聖ボビージョンズでさえ若い時は血気盛んだったとのこと
ゴルフは2割が技術、残りは人格で決まる競技という。球聖ボビー・ジョーンズをたたえる言葉だ。欲をかけばスコアを崩し、起死回生を図ればミスショットになる。首肯する方も多いのではないか▼伝説の年間グランドスラマーも、当初は短気な性格でプレー態度は酷評された。クラブを放り投げたり、スコアカードを破り捨てたり。目には見えぬ「パーおじさん」の視線から自分を律したという哲学には、克己というゴルフの神髄が宿る▼その偉大なゴルファーが創始したマスターズで松山英樹選手が歴史を刻んだ。 ページが見つかりません:北海道新聞デジタルページが見つかりません:北海道新聞デジタル
そんな一人の青年の成長記としても、ものすごく見ごたえがある歴史的大会だったとあらためて思います。
(写真:マスターズ公式ホームページより)
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