記事にも書かせていただきましたように、日本産業界最後の砦自動車産業にパラダイムシフトの時代がきています。
もちろん、まだまだ日本は製造機器や部品の領域では強みがあるとは言え、やはり自社で企画開発し生活者に届ける最終製品こそ産業の華です。

そんな不安感の中、あのポルシェが満を持してリリースした100%EVスポーツカー「タイカン」がどれほどのものか、取材試乗してきました。
前評判としてはうるさ型の自動車評論家諸氏が軒並み高評価。福野礼一郎氏に至っては「スマホ使ってからガラケー語ってくれよな。」と、EVの優位性を断言していたほどです。
実際に乗ってみると。
確かに、物理的な優位性。振動や騒音の少なさやトルクの立ち上がり特性=発信のスムースさ。など感心せざるを得ない完成度でした。
EVは回生ブレーキで停止するときエネルギーを回収しながら停まるわけですが、そこら辺もコンベンショナルなブレーキシューで金属のブレーキディスクを挟んで無理やり停める機能一本やりの時代が野蛮に思えるほど合理的です。
弱点の航続距離もタイカンで300km程度を実現していますが、逆に言えば技術革新で内燃機関をはるかに超える航続距離を実現する時代がくるかもしれません。例えば1回充電で3000kmという勝負がついてしまう時代がくるかもしれません。
充電設備にしたところで、可燃性でどこにでも設置できないガソリンスタンドに比べてのポテンシャルはむしろ圧倒的です。
あちこちの駐車場に普通にたくさん充電スポットがある時代がどうしたって目に浮かびます。
正直ヤバいな日本。
政治家が人気取りで、安易に「脱炭素」などと宣言するのは「内燃機関」の優位性に依存する日本産業の現状を省みない不埒なものと思いますが、
それとは別次元の現実的な競争環境の問題として世界的なEV化の趨勢を押しとどめることは難しいように、このタイカンに乗ると骨身にしみます。
もちろんアナログレコードを愛でる好事家はいまだにいるのでしょうが、もはや当然音楽はハイレゾストリーミングサービスの時代です。

そんな変化に日本の自動車メーカーもなんとか対応して欲しいと思います。
恐らく、競争相手はもはや自動車メーカーだけではなくなるでしょう。電機メーカー、グーグル、アップルなどのIT企業などあらゆる企業が参入してくるに違いありません。
自動車産業が終わる日、日本は失われた30年などのレベルをはるかに超える低迷の時代を迎えるはずです。
日本には燃料電池(FCV)もあります。ぜひ正念場を生き抜いて欲しいと願っています。
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