【第33回 家族に障害児がいます from N.Y.】羞恥心が育ちづらい子

恥ずかしいという概念を利用して子供に「そんなことをしたら笑われちゃうよ」とか、「恥ずかしいから止めなさい」という言い方をして行動を抑制することは多々あると思うのだが、そういう方法が全く使えない相手もいる。それが我が息子。恥ずかしいなんて感情をあまりお持ちではないらしい。なので人前でも平気で鼻をほじっていたり、服が濡れたりした時に不快感から濡れた服を人前でも平気で脱ごうとしてみたり。シャツなどの上着ならいざ知らず、下着のパンツやズボンなどを脱ごうとされると本当に困る。海やプールでも濡れた水着が気に入らなくて突然脱ごうとすることがあったり。全力で阻止。プチパニック中は言い聞かせても彼の耳に届いてないことがほとんど。なるべくトラブルにならないように苦手な場所や状況を避けるように慎重に行動する。それでも全ての行動は突発的に起きたりするから完璧に防ぐことは難しい。公共の場でしてはいけないこと恥ずかしいことを教えてみたりするけれど、どこまで理解されているのか不明。相手からの反応が無いって辛い。

Thanasis PapazachariasによるPixabayからの画像
   
そんな公共の場での行動に少々問題を抱えている我が子だが、最近ふと気付かされたのが彼の公共のトイレでのマナーについて。常々トイレ問題は我が家の大きな課題ではあったけれど、なるほどこれは早急に対処しなければと思わされることがあった。それは外出先でのトイレでの行為。ある日、息子がトイレへ行きたいと意思表示をしたので息子を男子トイレへと誘導。私はトイレの入口の前で仁王立ち状態で待っていたのだが、そのトイレは入口に扉がないので中がある程度見通せる作り。息子は入口から見える小便器用のトイレで用を足していた。そしてその光景に何か違和感が、、、何だろう?と目を凝らす。そして気付いた。その違和感は本来見えてはいけない息子の白い桃のようなお尻が丸見えになっていたのだ。自宅ではトイレに座って用を足したりしていることが多いので気付きにくかったけれど、息子は立ちションをするときもパンツを膝あたりまで下している。いや、ダメでしょ。そんなの危険だし、場合によっては警察に通報されてしまう。さすがに男性トイレに入っていって指導するわけにもいかない。早速、息子の担任の先生に相談してみた。先生からのアドバイスによると、ここはお父さんの力を借りるしかないとのこと。まずはお父さんが息子の前で正しいやり方をデモンストレーション。やってみせ、やらせてみせて改善されたらよいが、それでも相変わらずパンツをお尻が丸見えになるほど下してしまうのであれば、外出先での小便器の利用を止めて個室トイレを使用させるように指導するしかないということだった。なるほど。しかし個室トイレを使用させるにあたり、開いている個室に入ってカギをかけ、それを使用後にカギをあけて出てくるという一連の動作を指導しなければいけない。それもまた私には出来ないので旦那にお願いするしかない。羞恥心があれば人前で自分のプライベートな場所を晒すなんて行為はしないはずなのだけれども残念。羞恥心というのは教えることは出来ない。そういえば恥ずかしいという概念はどこからどうやって生まれるんだろう?とふと不思議な気持ちになった。自分が当たり前に獲得している感覚や感性を持ち合わせていない息子の育児は困難というか謎がいっぱい。公共の場で奇声を発して一身に注目を浴びていてもどこ吹く風。全く周囲の目に気付いていない幸せ者。ある意味最強。気付いていないから幸せなのかも。周囲の目に気付き始める時が来たら、その時から彼の人生の試練が始まるのかも。その日が来るかどうかわからないけれど、その時のためにも今から出来るだけ公共のマナーを教えていきたいと思っている。

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