【第50回 家族に障害児がいます from N.Y.】障害者の家族になるということ    2年目のサマーキャンプ

今年も暑い夏が来た。夏が来たということはサマーキャンプ。去年は生まれて初めて息子は10日間も家を離れてキャンプで過ごした。初めての場所、初めての体験、初めて接する人達。更に環境の大きな変化もあって心の底から楽しむことは出来なかったようで、息子はほぼ毎日を死んだ魚のような目をして過ごしたようだった。最終日に迎えに行ったら、薄っすらと頬がコケて少しだけ大人びて見えた息子。見通しがハッキリ分からない状況下で彼なりに不安と闘っていたのかもしれない。家に戻ってきた息子は食べなれた家庭のご飯を食べ、あっという間に以前の丸い幼児顔に戻り、イキイキとして生気を取り戻していったことを鮮明に覚えている。さぁ今年はどうなるのか。不安と楽しみが交じりあった気持でキャンプ初日を迎えた。初日を迎える前から何度も今年もサマーキャンプに参加することを伝え、動画を見せたり現地まで連れて行き、キャンプ施設の外から敷地内の様子を見せながら再度キャンプに行くことを伝えたりした。一応心の準備的なことはやったつもりだが、今年の反応はどうだろう?イザ現場へ!すると拍子抜けするくらいあっさり、すんなりとキャンプの施設内に向かう息子。そこでこれから10日間お世話になる息子の担当カウンセラーの男性に会い、今年もアプリを使った連絡先の交換。これで何か緊急事態が起こっても真っ先に連絡を取り合える。安心感がだいぶ違ってくるので現代テクノロジーに改めて感謝。カウンセラーの男性はとても落ち着いている青年だ。何だか頼りになりそうに感じた。息子もまるで以前から知り合いだったかのように、カウンセラーと手を繋いで両親のことを振り返ることもなく、サッサと施設内へと姿を消していった。驚くほどあっさりと私達から離れていった息子。去年は一緒に帰ろうと車に乗り込もうとしてくる彼を車から引きはがし、後ろ髪を引かれる思いでキャンプ施設から離れた私達だったが、今年はどうしたことだろう。何の問題もない別れに旦那は唖然としていた。去年にキャンプを体験したことで、今年はこれから何が起きるのか予想出来ていることが良かったのだろう。経験から学べる事は多いのだな、と改めて体験させることの重要性を再認識させられたキャンプ初日だった。結果から言うと、今回のサマーキャンプは大成功だった。送られてきた写真の中の息子は、去年とは全く違って余裕のある笑顔。今までは恐れて近づきたがりもしなかった動物、しかも馬にまたがって笑顔でカメラ目線の写真まである。私達親でさえ見たことのない光景が写真の中にあったのだ。なんという衝撃!なんという喜びでしょう!

キャンプ内で行われた様々なアクティビティにもしっかり参加して楽しんでいたようだし、カウンセラーの男性とも非常に相性が良く上手くやっていたようで、今年の彼は顔がやつれることもなく彼から漂う余裕のオーラが充実した日々を表しているようだった。昔からよく「可愛い子には旅をさせろ」といったものだが、やはり先人たちの教えに間違いはなかったようだ。うちの子も様々な経験から色んなことを吸収しているのだなと確信出来た夏だった。良いことも悪いことも経験しなければ分からないことが多い。これからも新しい体験をさせながら彼の成長を気長に見守っていこうと思う。2023年の夏は何

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