【第16回 家族に障害児がいます from N.Y.】トイレ活動

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オムツ生活は続くよどこまでも。5歳

プリスクール時代ではオムツ卒業となれなかった我が息子。とうとう5歳。5歳でもしっかりお尻はトレーニングパンツに包まれている。観察しているとまだまだ排尿の間隔が一定ではないようだ。息子が入学したキンダーは自閉症児だけを受け入れている学校。つまり自閉症を良く知るプロの集団が働いていると言える。ここは思い切って甘えよう。トイレトレーニングを共に戦ってもらおうと先生に相談する。先生は慣れたものであっさりと、「もちろん、頑張りましょう!」と即答。学校と家、双方でのトイレトレーニングが始まった。この頃の最大の問題は、息子が大小どちらも排泄する時にトレーニングパンツを下して何処にでも排泄してしまうことだった。つまり家中全てが彼にとってトイレとなってる状態である。オムツの中に排泄するということを極度に避けていた。きっと排泄した後のオムツの中が気持ち悪かったのだろう。だが正直こちらは大迷惑!息子が家にいる間は全く気を抜くことが出来ない。何をしていても数分おきに息子の様子をチェック!でも大概気付いた時にはあちこちに粗相され、こちらが大憤慨するという事態の繰り返し。トイレトレーニング中は怒ってはいけない、なんていうセオリーはとっくに頭の片隅からも抜け落ち、こちらも粗相を発見する度に悪態をつく始末。もう負のスパイラルに堂々と乗っかっていた時期だ。5歳だとまぁまぁ排泄量も増えて来るし、ウンチはしっかりと臭い。開き直れたらいいけれど、毎日毎日一度や二度の始末ではないからウンザリを通り越して殺意まで芽生えてくる。犬のトイレトレーニングの方がよっぽどマシ、と過去に飼っていた犬のトイレトレーニングを思い出す。もう終わりが見えない闘いというのは神経戦だ。希望が見えれば良いが、その当時は一切そんな光は見えてくる気配もなかった。ちなみに我が家は騒音対策として床中にジョイントマットレスを敷き詰めているのだが、その繋ぎ目部分にオシッコなどがしみ込んで行ったりして大変だった。

Alexas_FotosによるPixabayからの画像

この当時は夫婦での連係プレーが段々と磨かれていった時期でもある。どちらかが汚れた床の掃除をし、もう一人が息子のお尻を拭いたり汚れたパンツや洋服の始末をしたり。まさに共同作業。子育ては夫婦の仕事ということを正に実践。

初のトイレ成功は学校で

学校から朗報がもたらされた。息子が学校のトイレで排尿を成功させた、、、と。何?本当か!?というのも、我が家では相変わらず家の至る所に排泄する毎日。だが学校では何度かトイレの中で排尿を成功させているという報告が、、、。なぜ学校で出来て家で出来ないのか?環境の違い?プレッシャーの違い?誘導が上手いのか?何が悪いのか分からないが学校でトイレを成功させてからも数か月間、自宅でのトイレトレーニングは一向に進まなかった。学校のトイレを写真に撮ってもらい、それをプリントアウトしたものを家のトイレの便器の前に貼ってみたり、色々したが全く事態は好転せずに悶々とした時間だけが過ぎていった。事態が好転したのはある時、息子の排尿の間隔が以前よりは空くようになった気がしたので、試しに排尿した時間を記録してみた。すると何となく30分ほどの間隔があるようだった。これは!と思い、排尿後30分くらいでトイレに誘うようにしてみたら、ある時からトイレでの排尿が出来るようになったのだ!! ここに至るまで苦節数年。感動を超えてようやく安堵。あまりにも時間が経ちすぎていて感動するよりも脱力に近い状態。結局は排尿の間隔が空くのを待つことが大事だったのだな、と今になって分かる。焦ってトイレトレーニングを頑張ろうと思っても、肝心の本人の脳の成長が追いついていなくて、尿を膀胱に溜めるという感覚もなかったのだと思う。それにしても一生オムツ人生になるかもしれないと恐れていただけに、この時は心底安堵した。しかし息子のトイレトレーニングはまだ未完成。その時点ではまだウンチをトイレですることには成功していなかったし、外出先のトイレを使用するということも出来ていなかった。しかし6歳前に希望の光を見た私達は、次のステップへ向かう勇気を持つことが出来たのだ。だが次のステージはそう簡単に攻略出来る物ではなかったのだ。たかがトイレトレーニング、されどトイレトレーニング。親の忍耐力が大きく試される難行中の難行である。

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