【第5回 家族に障害児がいます from N.Y.】感覚過敏

息子の持っている特徴の中に感覚過敏というものがある。発達障害を抱える人達に総じてある特徴でもあると思うが、我が子の場合は音に非常に敏感だったり、触覚に特徴があったりするようだ。現在でも少し大きな音がするものに対しては耳をふさぐ行為をすることで、不快感を自分なりに防ごうとしているようだ。

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砂場でも決して砂に触れようとしない

トイレの水を流す音でも騒音に聞こえるようだし、電車の走行音、ミキサーの音や掃除機の音、突然の大声にも耳をふさいでいる。外出先のトイレなどに設置されているハンドドライヤーの音もダメだった時期がだいぶ長かった。そして触れるものはツルツルしたものやフワフワしているものは大好きだったが、ザラザラするような触感のものは駄目だったような記憶がある。例えば砂。砂場では決して砂に触れることはなく、夏のビーチも足を踏み入れることさえ無理だった。

Karolina GrabowskaによるPixabayからの画像
変わりにツルっとした表面のものは触りたがり、階段の手すりやエスカレーターの手すりには手をおいて表面をなでるように歩く。ガラスや鏡などに対しては放っておくと舌を這わせたりするから危険だ。常に気が抜けない。

嫌がる。爪切りや耳掃除

爪切りや耳掃除は非常に嫌がった。息子の爪に関しては噛み癖があるため幸か不幸か爪切りをする必要はないが、足の爪は放っておいたらどんどんと伸びてくるので息子が寝ている間に切るようにしている。そして耳掃除に関しては寝ていても寝ていなくても無理なので、生まれてから一度もまともに耳の中を掃除したことはない。医者に相談しても別に掃除しなくてもよいとのことだったので、現在まで放置している。時々耳の中を覗いてみるのだが、そこにがっつり耳垢が見えたりするのでもの凄く掃除したくなるのだが、激しく抵抗してジッとしないので耳の中を奇麗にしてみたい気持ちをグッ堪えて我慢することにしている。感覚過敏の一種だと思うが、洋服の袖や襟元などを噛む癖も時々でてくる。3歳ごろは首元につけていた涎掛けを口いっぱいに頬張って、涎掛けをぐちょぐちょにしたりしていた時期が結構続いていた記憶がある。そのあとも袖口やら洋服の襟だけでなく、自分の指や手などを噛む自傷行為も増えたので障害者向けに作られているチューインググッズを購入して与えたりしたけれど、全く使われずに相変わらず服の袖や襟、自分の手などを噛む行為は続行された。この行為は今でも続いている。もうほぼ放置状態。

突然の克服も

ただ、今まで苦手としていたものがいきなり克服されるときもある。感覚過敏から苦手だと思われていた砂だったが、ある日、突然克服された。それは夏も完全に終わり肌寒くなってきたある日の午後だったが、その日、学校が休みだった息子を連れてビーチ沿いにある水族館にでも行ってみようと思い立った。何度か行ったことのあるビーチ沿いの駅を降り、息子はご機嫌で記憶にあるビーチの方に向かって走っていった。いつもはそこから先の砂のビーチには一歩も踏み入れないのだが、その日、少し曇り空の夏の名残を全く感じさせない薄ら寒い海辺で彼の砂嫌いはいきなり克服されたのだ。私は油断していた。なので猛然と海に向かって駆け出した息子を止めることが出来ず、私の呼ぶ声にチラッとも反応しない息子はその曇り空の下の海にジーパンのまま突入していったのだ。砂嫌いを克服出来たという喜びもあったが、それよりも着替えも持っていなかったので、ビショビショになり始めた息子の後ろ姿を見ながらこの後どうするんだ?という疑問が脳裏に渦巻いた。そして海に膝まで浸かってはしゃいでいる息子が深みに行かないように、浜辺から彼の名前を叫び続ける自分の姿も相当シュールだったと思う。それよりも突発的に起こる行動には本当に対処するのが難しい。彼は思いついたら即行動の人だ。今まではこうだったから、これからもこういう対処や行動で大丈夫とは考えてはいけないな、、、と改めて思った午後だった。それにしても苦手なものの克服がこんな風に突然くるとは全く予想していなかった。今後もこういうことがあるのかどうか、全然予想出来ない。良くも悪くも油断出来ない子育てである。

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