【第7回 ハイレゾストリーミングで映える音楽】君は天女の声を聴いたか?マリア・カラス「Casta Diva, カスタ・ディーヴァ」

というわけで、仕事にプライベートにクルマで移動中にmora qualitasでハイレゾストリーミングサービスを満喫しているわけですが、考えてみれば当たり前のことなのですが、通常の携帯電波でガンガンストリーミングしてると軽くスマホのデータ容量が吹っ飛びます。
1曲CDとかmp4の音源はせいぜい20~50MB程度でしょうけれど、ハイレゾの音源は軽く500MBだったりします。
かなり大きなデータ量の契約だったはずの私でさえ、上限に行き当たったてしまったようで、久しぶりにパケットを買い足しました。
というわけで、少し賢くなって自宅やオフィスのWifi環境でまずはダウンロードして外出先ではダウンロードファイルで聴くようにしていますが、本来のいつでもどこでも聴き放題の定額制ストリーミングサービスのメリットはちょっと損なわれてしまいますね。なるべく幅広にダウンロードしておきつつ、どうしても出先でストリーミングサービスしたいときはするで対処ですかね。

何にせよ、定額制ストリーミングサービスの良いところは、何分聞き放題ですから、圧倒的に色々と乱れ聴けます。
結果、それまでより聴く音楽の幅が圧倒的に広がったと感じています。

そんな中で、再発見しているのが本連載でも何度か取り上げましたが、クラシック音楽です。
【第5回 ハイレゾストリーミングで映える音楽】レコ芸の「レコードアカデミー賞」アルバムが丸ごとハイレゾで聴ける
というわけで、在宅勤務では周りに家族しかいませんから、心置きなく音楽を当てながら仕事をしています。 これも好き嫌いあるのでしょうが、私は絶対に音楽を軽く流しているほうが仕事が捗る派です。 そんな仕事しながらの音楽には、やはりインスツルメ...

クラシックはダイナミックレンジの広さや情報量の大きさをいかんなく発揮してまさに「ハイレゾで映える」のです。
でもクラシックの世界奥行が広すぎて、何をどこから聴くべきかまったく判然としないのもまた事実です。
そんな中、上記の「レコードアカデミー賞」特集は本当に今旬な演奏、アルバムを端的にピックアップしてくれていて本当にありがたかったです。この特集で紹介されていた曲やアルバムを起点に、色々と聴き拡げています。

そんな「レコードアカデミー賞」の中にあった曲でもあるのですが、マリア・カラスが歌う、ベリーニの歌劇「ノルマ」のソプラノのアリア「清らかな女神よ」(Casta Diva, カスタ・ディーヴァ)。

マリア・カラス自身が「全てのアリアの中で最も難しい」と語ったことでも伝説的な、まさに天上の音楽かのごとき美しい曲です。

マリア・カラスは1923年生まれ1977年に53歳で亡くなっていますし、キャリア全盛期は10年ほどと言われていますから私にとっては同時代ではなく、はっきり言えば全盛期の活躍はまったく知らないわけです。まして、カラスの全盛期はまだ海外旅行も自由ではなかったでしょうし、メディアの情報も限られた時代でしょうから、日本人にはそもそも縁遠い存在です。

(写真:Wikipedia)

でも、「20世紀最高のソプラノ」との伝説は聞こえてくる。
好奇心からも聴いてみたいけれど、こういったカテゴリーの演奏家のアルバムを買うか?と言えば正直なかなか順番がなかなか回ってきませんよね。何せ、こっちはストーンズの新譜も買わなくっちゃなりませんし、クラシックのアルバムを買うにしても、今旬の演奏家のアルバムにどうしたってなってしまいます。

そんなわけで、私はマリア・カラスが歌う、”Casta Diva, カスタ・ディーヴァ”を初めて聴いたわけです。

音楽を聴いてこれほどの衝撃は、いつ以来でしょうか?
人類は、こんな奇跡を起こしていたんですね。
まさに、ディーバ。天女が歌う天上の音楽があるとすれば、間違いなくこの曲、この名演に違いありません。

昔惑星探査機ボイジャーに、宇宙人がこの探査機を発見した際に人類文明の存在を知らせるためのボイジャーのゴールデンレコードが搭載されましたが、クラシック音楽ではバッハの「ブランデンブルグ協奏曲」が選ばれましたが、今の私ならば、絶対この曲を選ぶと思います。それほどに、”神っている”曲と感じる演奏ではないでしょうか。

もちろん、このマリア・カラスの名演奏を集めたこのアルバム、この曲以外も素晴らしいです。
まさにgifted(天才)から人類へのgiftに他なりませんね。
それにしても録音はその時代ですから、音域は狭いですし、現代の録音とは比べ物にならないのですが、なぜなのでしょうかそれはそれで完全バランスしていて、むしろ聴き心地が良くさえ感じます。その時代の録音技師やディレクターが与えられた条件の中で完璧な仕事をしたということでしょうね。むしろ、そんな時を超えて伝えられた感じさえ、ディーバの歌声に神々しさのオーラ―を与えているような気さえしてなりません。

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