オンキヨーが上場廃止だそうです。
経営再建中のオンキヨーホームエンターテイメントは25日、大阪市内で定時株主総会を開催し、シャープなどの合弁会社に主力の家庭向けAV(音響・映像)事業を譲渡することが承認された。オンキヨーは2期連続の債務超過のため7月末に東京証券取引所のジャスダック市場で上場廃止となる見通しで、株主からは不安の声が上がった。 SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイトSankeiBiz(サンケイビズ)は産経新聞グループの経済情報サイトです。「仕事・キャリア」「自分磨き」を主なテーマに、ニュースはもちろん、気鋭の経営者や識者が執筆する連載・コラムなどビジネスパーソンの知的好奇心を満たすコンテンツをご覧ください。
かねて業績不振と言われていましたので、いよいよ最終局面ということかと思います。

かつて、世界的オーディオメーカーがひしめいていた日本なのですが、気がつけばほとんどの名門が中国、台湾、韓国などアジア企業の傘下になってしまっていました。サンスイ、ナカミチ、パイオニア、デノンあげれば切りがないのですが、オンキヨーはそんなオーディオ名門の中でも外資傘下になっていない数少ない生き残りでした。結局オーディオ部門はシャープに売るしかない状況とのこと。
シャープにしたところで、今や台湾企業です。
(写真:オンキヨーホームページ)
もちろん、上場するということは、世界中すべての人に株を買う機会を提供することですから、どんな国の企業が出資しても良いわけですし、日本企業も海外の会社を買うわけですから文句を言う筋合いは元々ありませんよね。現況の東芝の悪あがきなどは、しょうもないこと限りありません。
でも、筆者が見る限り、多くの日本人ビジネスマンのメンタリティを考えると、外国人にイニシアチブを握られる会社で働くことは、言うほど生易しいこととも思えません。


ブルートゥースの技術は本当にどんどん年々、接続も安定的、簡単になって、無線でスマホからガンガン接続して文字通り「どこでもいつでも音楽を楽しめる」時代を生んでいます。
そしてハイレゾ技術で、最高のスタジオスペックの音質を、究極スマホからでもいくらでもストリーミングできるようになっており、まさに「”最高の音質を”どこでもいつでも楽しめる」ことまで可能になっているのです。

よりによってまさにそんな時代に、伝統芸の日本オーディオ企業が総崩れというのもあまりにも情けない話ではあります。
間違いなく技術力はあります。でも逆に言うと、あまりにも技術屋気質ばかりが強すぎたかもしれません。
マーケティング力つまり生活者への提案力があまりにも無さ過ぎました。
自動車オーディオの世界を見れば明らかで、そんなブルートゥース+ハイレゾの時代を反映して、今や外車の高級車を中心に超高額オーディオオプションが花盛りです。
最初は米ボーズやハーマンカードンがちょろちょろと車種ごとの車内環境に最適化した機器を提案していましたが、最近ではバングアンドオルフセン、B&W、ブルメスター、ネイムなどよりハイスペックなプレミアムブランドがどんどん車載されてきていて、オプション費100万円超えも珍しくありません。
正直もはや、ボーズじゃやだなの世界ですが、それだけのお金を払ってもそれ以上の満足感がありますのでもちろんそんなハイエンド車載オーディオは大人気なのです。別にマニアの世界だけのお話ではないのです。
でも、そんな車載オーディオの中に日本メーカーの名前はまったく見当たりません。
これって結構衝撃ですよね。自動車産業も世界一強く、オーディオ産業もかつてとは言え最強だった日本が、この収穫期、黄金期に日本発のプレミアム車載オーディオを提案できないでいるという。
でもまあ厳しいのかなあ。
プレミアムゾーンではヨーロッパの少量生産のメーカーにセンスで負け、普及品では1万円以下でも十分音が良かったりするアジアメーカーに太刀打ちできないという。
確かにオンキヨーにしても安く売られて技術もあるんだから、お前経営するかと言われると、結構しんどいお話ではありますよね。
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