【第6回 家族に障害児がいます from N.Y.】偏食

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障害を持つ人には偏食が多い?

自閉症などの障害を持つ人には、偏食の傾向が多いように思う。ペアレンツサポートグループなどで同じような障害の子供を持つご両親などの話を聞いていると、本当に偏食でも様々な傾向があって興味深い。一切の固形物を受け付けず、ピューレ状態にしたものでないと食べられない子。また食品の色にこだわりがある子など。以前、知り合いで同じように自閉症の息子さんを持つお父さんから聞いた話で、パスタソースがかかっているパスタは全く受け付けないのだけれど、ソースが掛かっていないものだと食べられる子がいたとか。多分、その子にとってはパスタソースは食べられるものに見えなかったのだろう。

彼の場合

我が子の場合は触感にこだわりがあるようだ。彼は基本的にパリパリとした食感のものが好き。噛めばすぐに口の中で砕けるような、あまり顎の力や口の中の筋肉を必要としないものが好みのようだ。我が子はまだ発語がない状態であるが、それは口の中の筋肉や舌を上手く動かせないことも大きな一因のようである。好物は揚げ物などのような食感がパリッとしたもの。そしてなぜか甘いものよりも塩味などのしょっぱい物の方がお好みのようだ。生まれてから今まで、彼は飴もチョコレートも食べたことがない。完全拒否である。甘い飲み物も全く飲まない。水か無糖のお茶オンリー。なのに大量の虫歯が発見された過去あり。糖分の過剰摂取は心配ないけれど、塩分の過剰摂取が気になる。よくフライドポテトが欲しいと伝えてくるので自宅で冷凍のポテトを揚げてあげるのだが、その際にお皿の下にたまった少量の塩も指ですくい舐めている。油断していると自分で塩を皿の上に振って舐めているときもある。全然油断出来ない。

EdMontezによるPixabayからの画像
うちの息子はある一定の食べ物に一時夢中になり、そればかりを食べ続けてある時期ピタッとブームが去るということを繰り返している。小さいころは毎日スイカばかり食べていた。冬でもスイカ。スイカとお煎餅とチェリオと鮭フレークを混ぜたご飯を、辛うじて食べていた時期が幼少期長く続いた。本当にそれ以外の選択肢がなくて困った時期でもある。今はご飯、麺類を食べないのでお腹をいっぱいにするのが大変だ。ご飯は納豆などを混ぜ込むと少しは食べるけれど、それでも極力食べないように納豆だけをすくうように食べている。カレーはもっぱらジャガイモをメインに食べ、ご飯は残るというスタイル。毎日のメニューを考えるのは本当に面倒。親子で違うメニューを食べることも多いが、親が食べているのを見て興味を持つこともあるし、動画を観ていて興味を持つ食べ物もあるようだ。我が子はアルファベットが大好きなので、単語を少しづつ理解し始めてからは食材の名前を理解したら食べたりすることもあった。

基本は慎重で臆病

基本的に凄く慎重で臆病な子なので、素材が何か分からない物には一切手を出さない傾向がある。なので、食べ物の名称を言葉で理解してからはその食材の名前を伝えてあげたら食べられたりする物もあった。食事に関しては本人が食べられる物を食べさせるようにして、苦手な物を強要したことは一切ない。きっとそんなことをしたらその食材やメニューに嫌な記憶が繋がって食べるチャンスを失うかもしれないので、本人が欲しがる素振りを見せるまでは基本的には放っておく方針でやっている。食べたい物だけを食べ、そうでないものは一切頑として拒否してくる子なので、死なない程度に栄養を摂取しておけばいいかなというスタンスでやっているが、今のところそれなりに成長しているので大丈夫のようだ。最近は緑黄色野菜を好んで食べたりするようになって驚いている。一時期はキャベツにはまり、スーパーマーケットに入店するやいなやキャベツをひと玉手に捧げ持って、レジに向かおうとしたりしたこともあった。青梗菜を鷲掴みにしたこともあったし、インゲン豆を熱望することもあった。

家族でゆっくりレストランで食事ができる日がくるといいのだけど。

彼が夢中になるものの切っ掛けが全く分からないのだが、ある一時期に狂ったように夢中になって静かにブームは沈静化していく。偏食と多動が激しいため、私たち家族は外食することをほぼ諦めている。周りに気を使いながら、息子の行動に神経を張り巡らせて美味しく食事を頂くことは無理だ。そしてきっと彼が食べられるメニューを探すのもストレスになるだろう。今、辛うじて入店出来るのはマクドナルドなどのファーストフード店である。それでも彼がジッと座って食べるのは難しいし、注文するメニューは毎回ほぼ同じだ。子供が生まれる前まではマクドナルドなどを利用する機会はそうそう無かったが、人は変わるものだなぁとしみじみと感じてしまう。将来、家族でレストランに入店してゆっくりと美味しく、楽しく食事をすることが私の今の大きな夢である。そう息子に言い聞かせてみているけれど、理解しているかどうかは不明だ。それでもいつか夢が叶うといいなぁ、、と、のんびりと期待して待っている。

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