【第37回 家族に障害児がいます from N.Y.】頑張りだけでは改善しない

私の中では一応、息子に対して色々と自分なりに頑張っていた時期もあったと思う。息子の障害が分かってから最初の支援に結びつくまでの間や、子供が小さい頃はセラピストさんのやっていることを良くみて真似をしてみたり、効果がありそうなサプリメントを試したり、グルテンフリーメニューに挑戦したり。ネットの情報や本を読んだり、動画を観たりして障害について学び、何とか息子の状態や私達の状況が改善されないかと自分なりにあれこれ試していたこともあった。その頃に学んだことや試したことは効果がそれなりにあったものもあるし、障害を知る上で非常に役に立ったことも多いから全く無駄はなかったと思う。むしろとても必要な事ばかりだったと今でも思っている。子育て自体が初めてなうえに私にとって謎な障害の特性に振り回され、本気で子育てにうんざりし、自信を無くして消えてしまいたい気持ちになったことは数え切れず。特に6歳くらいまでの育児は本当に楽しかったことが一つも思い出せないほどに苦痛だった。今も大変は大変だけれども、息子の成長に伴って楽になってきたこともあるし、こちらも慣れてきた部分があるので大分気分的に楽になってきていることが多い。やはり何事も経験って大事だなと心の底から思う。

現在でも引き続き色々と根気よく教えたり、見守ったりしなければいけないことばかりだけれども、特別に力を込めて「頑張る」ということは随分と減った気がする。なぜなら頑張ろうと鼻息を荒くして、自分を追立てながら息子の成長のために奔走するということは、なかなか結果として現れない成長がとても遅い息子に対して私がイライラし疲弊してしまうからだ。そして多分そのイライラは、息子にも向けられてしまうだろうと予想される。悲劇は出来るだけ避けたい。まだまだ小さい頃は成長に可能性を感じるから頑張り時でもあったと思うけれど、ある程度成長してくると子供の成長のスピードや可能性を冷静に考えられるようになる。親がキリキリしていると子供にも影響しやすい。そうだ、お互いが平和な気持ちで過ごせるようにシフトチェンジだ!と決めてから以前よりは心穏やかに過ごせるようになった。

(写真:Pixabay)

「根気」「我慢」「褒める」

特別に頑張ることはないけれど、習慣的に根気よく接し続けることは生涯に渡って続けなければならない覚悟はある。習慣化させることで持続しやすくなるし、ムキに力を込めて頑張る必要はない。ただただ根気よく、我慢強く、時には上手におだてたり諦めたりを繰り返し、繰り返し。今の私の方針としてはじっと我慢、そしてしつこく何度でも根気強く繰り返し、そして少しでも上手く出来たら大げさに褒め称えるというもの。出来たことがまた出来なくなったり、何度繰り返してもなかなか身につかなかったり。本当にこちらの忍耐力が試されているような毎日だけど、過度に期待せずに失望もせず。出来るだけ平常心で接することを心がけながら生活=訓練という毎日を淡々と過ごすのみ。本当の闘いは息子を成長させるように頑張ることではなく、自分自身との闘いの方が大きい気がする。それでもなかなか上手に自分自身の感情をコントロールするのは難しく、時々フラストレーションが激しく爆発してしまう。育児は育自とはよく聞くけれど、本当だなと納得しまくる我が人生。春は遠い。

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