【第1回 世界のトップエンドアパートメント】ロンドン One Hyde Park -1 <外観・デザイン>

世の中にはライフスタイル的なことを政治経済より下に見ている人が多くて困ります。
形而上(形をもっていないもの)と形而下(形をそなえているもの)を線引きする歴史的教養主義の名残かもしれません。

天下国家を語らざれば大人にあらずという価値観はさすがに団塊の世代ぐらいまでですたれていますが、今でも会社に行けば、生活を捨てて仕事に邁進することをもって良しとする人々にあふれ、そんな社会生活にのみ価値観があり仕事もがんばるのでしょうが夜も会社の同僚と毎日飲み歩き、家は雨露しのげれば良いという人が意外と出世しやすかったりもして、会社文化全体がライフスタイル軽視になりやすいと感じます。
政治もしかりで、ただチンパンジー的な勢力争いや権勢欲に溺れているだけにもかかわらず、天下国家を語っているかのような自己陶酔に陥っている政治家が非常に多いと感じます。

私とて政治経済には学生の頃より人一倍の関心も持ち、多少の論考を世の中に問うているぐらいですからそれなりの問題意識や関心を持っています。でも政治的な活動や、経済活動が目指しているものはつまるところ生活の質の充実と豊かさの向上に他なりませんから、ライフスタイルに価値観がない社会活動など本末転倒でアホじゃないかと思ってしまいます。

特に日本人の場合、質素倹約をもって良しとする文化(それ自体は結構なこととは思いますが)も根強いですからなおさら豊かな日本と言われながらも、いまだに平均的な生活空間はショボいとしか言いようがないものではないでしょうか?それでもやはり年々海外生活を経験した人も増え、リッチな人の中には世界水準で見ても羨ましいような生活を実現する人も出てきていて結構なことだとは思っています。

ちょっと前置きが長くなりましたが、要はせっかく日本人の生活はもっともっと充実させられる余地があるのだから、我々各個人としてももっと素敵なライフスタイルを目指そうよ。という趣旨です。そして何と言っても豊かなライフスタイルの基盤は家、居住空間に他なりません。
それならば日本人にも身近な集合住宅。その集合住宅、世界のハイエンドからはきっと色々参考にできるインスピレーションをもらえるはず。なので、インターネットで物件案内など日本にいながらにして見れるわけですから、見に行ってみようというのが本企画です。

第1回は、世界の富豪やセレブが多く購入していることでも話題のロンドンハイドパークの”One Hyde Park”です。下記記事によれば、カイリーミノグが25Mポンドで3ベッドルームの部屋を買ったり、UAEのスルタンや、ロシアの不動産王、ナイジェリアの富豪などが購入しているあたり、さすがロンドンのトップ物件という感じがします。
Meet The Billionaires Who Live In The World's Most Expensive Apartment Building

まずさすがに建物自体が素晴らしい。
どうしても集合住宅というと、効率重視でモダンではあるけれど無個性な箱に窓が連なるル・コルビジェのユニテダビタシオンを劣化コピーしたような建物になりがちです。

いやもちろん、その後の集合住宅の方向性を示し、モジュールの思想や黄金比を使った美しい歴史的巨匠の傑作ユニテダビタシオンが傑作であることには異論がありません。やはりその後現在に至るまで、粗製濫造された志が高いと言えない劣化コピー的な集合建物にはワクワクしないのもまた正直なところなのでです。

最近は高価格帯の物件を中心に有名建築家を起用する集合住宅もチラホラ出てきました。

赤坂檜町公園隣の、隈研吾氏設計監修で三井不動産が分譲したマンションは、超高額にもかかわらず販売好調で話題になりました。高層部に独自のデザインを施すなど、ならではのデザイン付加価値も人気に貢献したことは間違いありません。デザイン料だけでなく施工の手間も段違いのデザイナーズタワマンですが、きっと今後も需要は減らないと思われます。

リチャード・ロジャースと言えば、サーの称号を持ち、もちろんブリッカー賞受賞者です。
出世作はポンピドゥーセンターでしょうか。

その後も鉄骨の構造や、外壁の金属感をむき出しにさせながらも洗練を感じる名作を多く世に出しています。
下記はロイズオブロンドンという銀行のビルです。初めて見たときは衝撃を禁じ得ませんでした。

日本でもは日テレの本社ビルのデザインコンセプトがそうですよね。

さてOne Hyde Parkの外観をよく見てみましょう。集合住宅とは思えないオリジナルな造形。

なぜか超ハイテクでありながら、歴史的なロンドンの街並みとも違和感がありません。

やはり建築デザインにおける窓の印象って大きいですよね。
この目隠しのようなルーバーのディテールが窓のデザインが陥りやすい単調さを回避していて、しかも室内からの雰囲気が良いのです。

さて、一番見てみたい室内空間については、次回第2回に続きます。
第2回記事

写真はWikipedia、Rogers Stirk Harbour + Partners より。

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