ロンドン、ニューヨークときてお次はモナコをご紹介したいと思います。
どの都市も自国民以外の世界のスーパーリッチが住む街ですが、モナコは特にリタイアした富裕層が多い印象が強いです。ロンドン、ニューヨークのようなビジネス機能がありませんから必然そうなります。
なんと広さ2.2㎢だそうです。ちょうどディズニーランド+シーぐらいの広さですから独立国として考えれば、信じられないほど小さな国?街?です。
(写真:Wikipedia)
実際にモナコを訪れた印象もまさにディズニーランドのように街全体がテーマパーク感満載で、海に面していることもあり「アナと雪の女王」のアレンデール王国のようなイメージ。三ツ星レストランから立派な劇場、カジノ、スパ、エルメスなどの高級ブランド店が軒を連ねていて、あなたが超富裕層でも不自由はまったくないと思われます。
かと思うと、街をそぞろ歩きすると、海沿いの傾斜地のイメージが熱海にもそっくりだったりもします。建っているアパートメントが熱海あたりの昭和のリゾートマンションの南欧風の白いテラコッタ壁に、青やオレンジの飾り瓦に出窓と意匠がそっくりの風情なのです。アパートメント名もシャトー〇〇〇などと熱海風です。
と思っていると気が付きました。そうか!モナコが熱海に似ているのではなくて、熱海にリゾートマンションを建てた昭和の資産家たちがモナコをお手本にしたのだ!と。考えてみれば当たり前のオチですが、モナコがこれだけ栄えていることを考えると熱海の廃れ方が寂しくもあります。
そんなこんなで日本人ならば一度は行ってみる価値があると思うモナコですが、そこはヨーロッパ圏。従来は狭い敷地ですが超高層の建物とは無縁でしたが、年々押し寄せる富裕層を受け入れるキャパシティーもさすがに限界なのでしょうね。ついに超高層のアパートメントが建ちました。
TOUR ODEON
つまりオデオンタワーです。
全体のフォルムイメージはTOURのネーミング通り、ヨーロッパの塔をイメージしているようです。
外海を臨むダイレクトウインドウのガラス張りと同じく見晴らしを妨げない透明ガラスのバルコニーのモダンな佇まい。
こんなピカピカのガラス張りのモダンな外観はおよそヨーロッパぽくはありません。むしろフロリダスタイルという感じさえするバリバリ未来志向のデザインです。
伝統的にはオテル・ド・パリの正面広場のイメージのパリスタイルで統一されていたモナコも、絶対的な広さの制約を乗り越えるには超高層化していくほかないでしょうし、スーパーリッチ層の超高層レジデンスへのニーズも旺盛でしょうから、今後は香港やシンガポールのように狭い土地に超高層が立ち並ぶ街になっていくのかもしれません。
確かに世界のモナコだからこそ成立するビジネスが無い街の超高層レジデンスですが、建築技術自体は日本でも建てられるはず。どうでしょうか、熱海あたりにこんな超高層マンションを建てる日がくれば熱海もモナコのようにまた栄える日がくるような気がしなくもないのですが。鶏が先か卵がさきかのアナグラムかもしれません。
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