【第9回 Netflixがすごい】「二郎は鮨の夢を見る」で日本の外食文化の面白さを再確認

これもNetflixオリジナルというわけではないのですが、Netflixの魅力は劇場公開映画しかも単館上映系の地味な作品もラインアップしていることだったりもします。
この「二郎は鮨の夢を見る」も、存在は知っていたのですがなかなか単館系上映されている時期に見ることは日本で仕事をしている限り難しかったりしますよね。実際のところ。かといてレンタルビデオの時代に借りたかな?というと、興味はあるのだけど借りてまで見るには地味すぎる気がしなくもないという微妙な位置づけかもしれません。
そういう意味では音楽のサブスクリプション(定額聴き放題)もそうですが、Neteflixなどの定額サービスは買うとか借りるとなるとハードルがあるけど、ちょいと見たいという作品がグッと身近になります。

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グルメ情報が限られた時代にいち早く有名店になった次郎

「二郎は鮨の夢を見る」の面白さは、アメリカ人が制作したドキュメンタリー作品ということです。
英語前提だからこそ、こんな地味な作品でも収益化の道筋があるのでしょうね。実際にNetflixが買っているわけですし。それにしても世界市場をターゲットにするって強いですよね。
それにしてもNetflix何度も言いますが、ドキュメンタリーが本当に充実しています。日本のテレビ界では絶滅危惧種となった良質なドキュメンタリーの宝庫。

「すきやばし次郎」と言えば、12年連続ミシュラン三ツ星を取っていた伝説的なお寿司屋さんですよね。オバマ大統領を「すきやばし次郎」でもてなしたことでも有名です。

というよりも今のようにグルメ情報があふれまくっている時代の前、昭和の時代はグルメ情報も主に活字によるものが多かったと記憶していますが、そんな時代に主に活字メディアに絶賛され、いち早く情報化されたお店というのが実態ではないでしょうか。
とにかく料理評論家の山本益博さんが絶賛しその影響力が大きかったように思います。かつてはメディアの世界も閉じた世界でしたから、権威者の座席数も限られていましたし、現在のように1億総グルメリポーターのような時代とは明らかに様相が違っていました。

とにかく10席しかないのに、そんなこんなで情報価値が高騰しその上ミシュラン三ツ星(ミシュランの日本での選考にも山本益博さんが深く関わっていると言われていますからある意味当たり前ですが)ですから、予約が取れないお店となっておりました。ついにはなかなか一般の人が予約もとれないので、ということで最近ミシュランの星を辞退したことも話題になりました。

かつて銀座には次郎的なこじんまりしたお寿司屋さんがたくさんあった

私はと言えば、自称ガキの頃から銀座を庭にしていますので、銀座界隈には安くて美味しいお寿司屋さんは腐るほどあるのをいいことに敷居を跨がないままま次郎さんがあっという間に高嶺の花になってしまいました。でも、本当に銀座インズが西銀座デパートだった頃には、地下にもランチであれば1000円で昔ながらの大将が赤酢のシャリで結構な寿司を出してくれていましたし。あちらこちらに、夜つまんで飲んでも全然1万円しないような美味しいお寿司屋さんが多数ありましたから、だからつまみもない次郎さんにわざわざという気も起きませんでした。
とか言いながら、要はそんな身分ではなかったというだけかもしれませんが。。。
それにしてもこうなってしまうと、一度は敷居が今ほどではないときに行っとけば話のタネになったかも。とちょっと後悔。

求道者を見つめる驚きの目

何にせよ、「すきやばし次郎」さんがここまで評価されたのには、大将の小野二郎さんのストイックな職人気質があることは間違いありません。私も伝記本読みましたけど、まあ本当に良い意味で昔気質ですよね。日本人が持っている職業へのストイックさの化身という感じで本当に頭が下がります。
有名なエピソードとしては、寿司を握らないときは手袋をしているとか。おい!あなたは手タレさんかい!と。
でも、すべてに美味い寿司を握るという、研究心が宿ているわけですからね。とにかくすごいものです。
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そんな今の日本人からみても珍しい、求道者としての小野二郎。そしてその聖堂がなぜか銀座によくある古い雑居ビルの地下の広くもない一角にあるという不思議さ。

確かに我々からみても不思議なのに、外人さんから見るとかなりエキゾチックに違いありません。
そんな、彼らの素朴な驚きの深さが感じられる、良心的な佳作だと思います。
Netflix

(写真:netflix HPより)

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