【第13回 Netflixがすごい】絶妙なブラックコメディ感。「ヴィンチェンツォ」

ネット上でもすでに話題のようです。

今年、2月20日にNetflixで配信されて以来、連日、ランキング上位をキープしている韓国ドラマ「ヴィンチェンツォ」。ポスト「愛の不時着」か、「梨泰院クラス」かと期待の声が多いが、人気の理由はどこにあるのか?
Netflix「ヴィンチェンツォ」人気の理由 ポスト「愛の不時着」と話題!|シネマトゥデイ
今年、2月20日にNetflixで配信されて以来、連日、ランキング上位をキープしている韓国ドラマ「ヴィンチェンツォ」。

絶妙なコメディ感

Netflixの紹介に「ブラックコメディ」とありました。聞いたことがない言葉だったのですが、確かにこのドラマは
ブラックコメディに違いありません。

つまり、メインはアクションもの。過激な暴力シーンなどハードコアなドラマが主旋律です。
でも、ここが絶妙なのですが、そこに全篇コミカルな風味、しかもちょっと大人な苦みのある笑いがまぶしてあります。
そもそも主人公のヴィンチェンツォにしてからが、カッコいいイタリア系韓国人、若くしてマフィアの大物、強くて金持ち、しかもイタリア仕込みのスミズラー仕立物のスーツでいつも決まっているのに、どこかちょっと人間臭い愛すべき男。

二枚目が三枚目を演じると阿部寛さんとか面白いじゃないですか。あんな、カッコ良い自分をちょっと茶化してしまう感じもあり素敵です。
そして脇役含めて、どの役も個性的で笑えるところのある役作り。「愛の不時着」を面白くしていたのも、そんな脇役のちょっとコミカルな演技。そうそう確かに「愛の不時着」でおなじみの役者さんも何人か出演していてうれしくなります。

庶民への共感

これも「愛の不時着」と共通する部分なのですが、庶民への愛ある視線を感じるんですよね。「愛の不時着」では、政治的にはアレな彼の国北朝鮮の庶民がそんな中必死に健気に生きる様が温かく描かれていましたが、この「ヴィンチェンツォ」でも老朽ビルの住人たちが豊かではないなりに楽しくも個性的な日々を過ごす姿が描かれます。

日本でも寅さんとか、映画・ドラマの底流にいつも庶民やその生活への共感があったように思うのですが、最近そんな視点が失われた気がしてなりません。

悪役のサイコパスっぷり

そしてこのドラマをもう一つ面白くしてくれているのが、悪役の財閥若オーナーのサイコパスっぷり演技です。

優秀で金持ちでひょうきんでさえある誰が見ても理想的な若者が、一皮むいたところでは親を殺すのも平気、人をいじめ殺して楽しみたいというサイコパスという二面性の演技がスごい。タクシードライバーのロバートデニーロ、あの笑いながらキレる男のキレキレ感をちょっと彷彿とさせるものがあります。
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この役者さん、なんでもアイドルタレントだそうなのですか、とても俳優業が本職じゃないことが信じられません。
やはり役者は悪役を魅力的に演じてナンボですね。

ヒロインが等身大、エフォートレス

韓流と言えばヒロインが美人、整形だかメイクだか知らないけれど有無を言わさずチャーミングというのが基本スペックであるわけですが、「ヴィンチェンツォ」のヒロイン、ホン弁護士は決して見るからの美人というわけではないんですよね。
本来の韓国顔というのでしょうか、目もパッチリではないですし。
でも、そんな彼女の自然体で臆さず気取らないキャラが、見ているうちになんか可愛く思えてくるんですよね。逆にハッとした瞬間の美しさなどにもビックリさせられます。
そんな頑張り過ぎない、エフォートレスなヒロイン像も、今の時代に合っている気がしました。

とにかく、そんな見どころ満載。見ていて絶対楽しい「ヴィンチェンツォ」を筆者としてはぜひおすすめしたいです。

(各写真:Netflixより)

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