【第8回 Netflixがすごい】名優ジェームズ・スペイダーのセリフまわしを堪能。「ブラックリスト」

この作品はハッキリ言って、主演のジェームズ・スペイダーのセリフ回しを堪能する作品です。

Netflixの魅力はもちろん巨大な制作費を投じてのオリジナル作品にあるのですが、本作品のようにオリジナル作品ではないものの人気テレビドラマシリーズが丸ごとラインアップされていることも魅力です。何せ、現時点でもシーズン6まで132話ありますから、気に入ると長く楽しめます。(なんでもアメリカではシーズン7続行中とのことです)
お気に入りの楽しみ方は、スマホに自宅のWifi環境でダウンロードしておいて、家で見た続きを移動時間とかにスマホで観る。このダウンロード機能が素晴らしいですよね。操作が簡単な上に家で見ていたデータとリンクしていて、スマホ=>テレビ、テレビ=>スマホとシームレスに、見ていた途中から行ったりきたりできるのです。しかもダウンロードしたデータは観終わると自動的に消えていきます。
本当にインターフェースが賢くできているんですよね。本当にデジタルものを操作するストレスがありません。

さてブラックリストに戻りますと、基本的には我々がアメリカのテレビドラマアクション物に期待する通りの、ハラハラドキドキのアクション、サスペンスです。舞台はFBI。それにしてもハリウッドってFBI大好きですよね。やっぱりドラマにピッタリな「事実は小説より奇なり」的な犯罪を大量に扱う機関だからですかね。

そのジェームズ・スペイダーが演じる主人公の元海軍軍人のレイモンド・“レッド”・レディントンからして大物犯罪者という設定です。闇社会に精通するレッドがFBIと協力して犯罪者を捕まえていくという設定です。レッドは悪者ですからそんな活動から莫大な利益を得ながらも、どこか金のためというよりも世直し的な意図がありそうな風情がありちょっと複雑な人物として描かれています。
出てくる犯罪者がエグいですからね。サイコパス、テロリスト、新興宗教のエセ教祖。ありとあらゆる悪徳が描かれます。そういう意味では近年のハリウッドものサイコサスペンスやアクションものに付き物のどぎつい残酷描写や暴力シーンは結構盛大ですから、そういうのがあまり好きでない方や子供にはオススメできませんね。
それにしても、いつも海外ものを見ていて思うのですが、このドラマも三大ネットのNBC制作ですからね。結構ソーシャル・コレクトネスと言いますか、社会的品行方正さにこだわる部分があるアメリカで、こんなにエグい表現が地上波でまかり通っている理由はなんなんでしょうね。今度、あっちの誰かに聞いてみますね。

さて、そんなドラマのダークヒーロー、レイモンド・“レッド”・レディントンですから、一筋縄でいく人物描写ではありません。教養にあふれ、元軍人ですからね無茶苦茶本人も強くて相当凶悪な輩との直接対決も辞さず平然と殺してしまう。大金持ちで、高級な趣味、嗜好に耽溺し、美術品をこよなく愛する。非常に冷酷、残忍なようで博愛主義者で愛情深い。聖と邪悪が同居している人物なのです。
衝撃作「羊たちの沈黙」のハンニバルレクター的な人物像がちょっと重なりますかね。

そんな複雑極まる主人公を主演のジェームズ・スペイダーが本当に見事に演じています。大ヒットシリーズになった勝因は彼の演技に違いありません。この役のために、わざわざ前頭部の毛を抜いているいるらしいですが、若くないのが良い。
ヒーローと言えば若くてマッチョのアクションというのは単純すぎる。肉体的にはちょっとよれてきているけれど、経験、知性、財力、胆力に深みのある人情が織りなす人物像が本当に魅力的。

一つ言えば、このドラマ、絶対に英語が少し分かった方がその醍醐味を感じられるはずです。もしくは英語を耳で勉強したい人にぴったり。主人公の圧倒的な知的さや趣味嗜好への造詣の深さを感じさせるイントネーションやセリフまわしがあまりにも絶妙過ぎるのです。日本語でももちろんその人の喋り方で人となりを知れる部分がありますが、英語の場合顕著ですよね。まあアメリカはそうでもないとして、やはり本家イギリスが階級社会だからですかね。間違いなく、この英語を聴くだけで主人公レッドが一門の人物、知的で教養にあふれる人物であることがわかってしまうという。
ジェームズ・スペイダー。本当に稀有な役者だと思います。彼のちょっと口に含むようなでも早口なセリフまわしが聴きたいだけでもこのドラマを見たくなること請け合いですので、ぜひ字幕版でご覧になってみてください。

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