衝撃の博多グルメ「天麩羅処ひらお」/「揚げたての天ぷら」「いかの塩辛」に完敗

博多の住人でなくても博多が大好きという人は多いですよね。有名な空港からのアクセスを含めて、街全体がほどよくコンパクトな中に天神、大名のように東京で言うと原宿、青山、代官山を足して三で割ったようなオシャレなエリアや、中洲のような夜の街、最近では博多駅界隈も再開発ラッシュで賑やかです。出張の強行軍でも、あの空気に触れられると思うと嬉しくてしょうがないパブロフの犬状態です。
デザイナーホテルが生き延びる街。博多のオシャレ気質
出張で博多に来ています。振り返ると、なんだかんだと、毎年結構な頻度で訪問してきた気がします。 駅ビルができて以降は、天神側から博多駅界隈に賑いの重心がやや移ってきたようですね。札幌や仙台など他の大きな街と同じように、昔からの繁華街(ス...
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あの有名店が閉店を余儀なくされたとの噂

そんな中、ついに「天麩羅処ひらお」を体験する日がきてしまいました。
いや噂には聞いていたんです。揚げたての天ぷら屋さんが博多っ子のソウルフードだとは。東京から「銀座 天ぷら 天一」の福岡店は、「ひらお」があるから客がつかず早々に閉店を余儀なくされたとか。

ついにその衝撃を体感する日が来てしまいました。

午前中、仕事先との会議が終わり同行の方とちょっと昼でも食べながら打ち合わせしませんか?となりました。場所は、たまたま福岡空港の近くの工場とマンションが混在しているエリア。ソウルフードですからね。今では博多市内に支店があるようですが、博多式天ぷら屋さんの発祥は、土地代もそこまで高くない、地元の働く人向けのガッツリ大満足系の立地が基本です。

実際に周辺は産業道路と工場に囲まれています。

そんな辺鄙(へんぴ)と言っても良いような環境に、お客さんが続々とやってきます。

メニューを選びようがない

まずは、食券方式。な。なんというか、選びようがない。
まず値段のヒエラルキーがほぼない上に、定食名が抽象的すぎて素人には差がわからない。「これよか定食」と言われても。。。
まして次の人も続々やってくる小さな券売機の表記です。久しぶりにドギマギしました。
でもこれがソウルフードというモノ、きっと長年通っている常連さんはビッシと今日は「あじわい」でいくか。と定まるのでしょう。

お好み定食890円(えび・いか・豚・白身・野菜3品)
天ぷら定食790円(きす・白身・青魚・いか・野菜3品)
あじわい定食790円(えび・鶏もも・白身・いか・野菜3品)
とり天定食790円(とりもも4枚・ササミ1枚・野菜3品)
野菜定食690円(野菜7品)
いろどり定食890円(はも・エビ・ささみ・イカ・野菜3品)
これよか定食790円(トロいわし、鶏モモ、白身、いか、野菜3品)
おしながき|店内商品 - 天麩羅処ひらお

まあ結論から言うと、メニューは多分どれを選んでも結果大満足というメーターが振り切れるところまでもっていかれる選択なので、どのカードを選んでもマジシャンが選んだカードを当てられるような類のものです。

さあ店内です。完全カウンター方式。カウンターの背後に待合前提でベンチがぐるりと囲んでいます。実際に結構な待合人数なのですが、みんな食べたらさっさと出ていきますので回転が速いですし、通路も広くストレスはありません。このお互い様スピリッツもソウルフードのソウルフードたるゆえん。しばし、ジモティの仲間入りをさせていただきます。

天ぷら屋なのに、最初の衝撃はイカの塩辛

さあいよいよカウンターです。
これが第1の衝撃。ファーストインパクト。
この食べ放題のいかの塩辛が、タダものではない。まったくしょっぱ過ぎないのに、しっかり”いか”ならではのコクと旨味があって、無限に食べてしまう奴です。これ。

いかの塩辛なんて、正直スーパーやコンビニで売っているものは食べられないものが多いじゃないですか。しょっぱ過ぎたり、薬品くさかったり。これだけ食の工業化が進化した時代ですが、どういう塩梅なのか、工業化と相性の悪い一品です。作るのは大変なんでしょうが、やっぱり自家製のものしか食べられない代物だったりする。
そんな半ば期待しないスタンスで、天ぷらが出てくるまでなんてつまんでみると、とんでもない衝撃が走ってしまったわけです。しかも食べ放題。
はっきり言えば、このイカの塩辛だけでご飯大盛3杯いける。
しかもこれ以外に、もう一品食べ放題の付け合わせが。。。これは結構違うモノになったりするようで、どこまでサービスがすごいんだ。

良い素材を揚げたてで。天ぷらがこれでまずいわけがない

そして天ぷら。
揚げたてを次から次へとこのトレーに置いていってくれます。

いやーうまくないわけがないじゃないですか。やっぱり天ぷらは揚げたてが一番なんだと再認識させてくれます。
東京でも接待のときなどカウンターお座敷で揚げたてを大将が一品一品提供してくれるような超高級店行きますが、値段は数十倍ですからね。正直、良い素材を絶妙な揚げたて加減で食べられる満足という意味ではこの「ひらお」80点を軽く超えていますから超高級店の90点台に対して数十倍の対価を払う気がなくなるのも良くわかります。

まず油が中庸で上品。クセのない油が食べ飽きませんね。一店舗一日に千人以上来客があるらしいですから、油の循環面でも小規模店より有利なのでしょうね。油の鮮度もバッチリと感じます。大将も次から次へと揚げますからね。仕事がこなれている。職人は上手な人ほど仕事が早い。というのはやはり真理ですよね。モタモタもったいぶっても碌な仕事にならない。

もちろん一品一品まっとうな素材をまっとうに天ぷらしているわけで、まずいわけがない。
しかもかなりのボリュームがどんどんきます。

天つゆは、そこは博多「たまり」醤油の風味ある、ちょっと甘みのある地元色たっぷりなヤツです。

塩も3種類用意されているので、まったく食べ飽きませんね。

この美味しさとボリュームでアンダー1000円。

一部のお店は東京に進出しているとのこと。そりゃこの内容でいけば日本、世界でこでも繁盛するに決まっています。
東京にもお店を出してもらって気軽に食べたい半面、チェーン展開などしないで、博多だけのソウルフードでいて欲しい気もしてしまうあたりちょっと贅沢すぎですかね。

最後に一点だけ要望があるとすれば、冬でもありお店の窓が締め切り。やはり天ぷらですからね。油が盛大に飛び散ってもいます。機械換気というのはしょせん十分ではありません。窓を開けて少し空気を入れ替えると完璧だと思います。

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