【SankeiBiz掲載】「Yogibo(ヨギボー)」日本代理店が米国本社を買った“成功”の方程式

本サイト「たんさんタワー」をたまに覗いてくださる方は知っていてくださるかと思いますが、本サイト主宰の秋月涼佑は
そこそこ家具やインテリア、建築のウオッチャーでもあります。

それにしてもいつも思うのは、日本は本当に生素晴らしい国、特に生活という面でも清潔で便利で最高なのですが、やはり平均的な生活水準の居住空間という意味では厳しいものがあるなあということもまた現実かなと思います。
高級車にブランドバッグは持っているけれど、うーん。家はどうでしょうかね。もちろんインテリア雑誌に取り上げられるレベルのお宅は別として、そこそこ稼いでメルセデスベンツに乗っている人も、自宅となるとヨーロッパ輸入ハイエンド製品に見合う美意識で貫かれているかと言えば。。。。。これがなかなか難しい現実があるように思います。

建物自体の施工クオリティ自体は、一軒家もマンションも総じて高いように思うのですが、やはりインテリアコーディネーションが往々チグハグ。
どうしても狭い国土(正確には人口に対して居住に適した平地面積の不足)で絶対的な面積が不足しているということもあるのですが、それよりも何よりも日本人の生活空間が往々パッとしないのは、「どこを目指して良いかわからない」「ゴールイメージが見えない」「成功モデルを知らない」からだと思います。

生活空間ですからね、まさに深くその国の文化的系譜の上に成り立っているわけです。そりゃあ日本人も純粋に「和」の空間であれば、美しくしつらえることができます。谷崎潤一郎「陰翳礼讃」などにいみじくも書かれた、日本人が綿々と引き継いできた生活空間に対する美意識は世界レベルで見ても際立ったものがあると思います。今でも歴史のある料亭や旅館などで現代に生きる我々も体験することができます。

でもやはり急激な生活スタイルの洋風化は、そんな伝統的な「和」の美意識をあらかた吹き飛ばしてしまいましたよね。村野藤吾や丹下健三など昭和の建築家、特に初期の作品などを見れば、そんな「和」の文脈と西洋建築のロジックをいかに融合させるかに非常に苦心していました。一般家庭の生活空間にしてみても、昭和までも典型的なマンションの間取りには一室は「和室」があったりの葛藤が残っていたように思いますが、今やそんな「和」の生活空間の名残さえ見かけなくなりました。

かと言って日本人が本当の「西洋的」な生活空間のロジックをすでに体得できたかと言うと、そんなこともなくて、今はまだ過度期で、やはり数世代経たなければ難しいのかなと思います。
もちろん、海外赴任や旅行などで本場の歴史的建築物やホテルなどで、「西洋」を体感する機会は圧倒的に増えていますので、加速度的にグローバル=ウエスタンスタンダードなスタイルに収斂していくこととは思いますが。

ということで、そんな現時点において、やや中途半端、無国籍的な生活空間が一般的な状態の日本だからこそ、Yogiboヨギボーは”ハマった”のかなと感じます。

そんな視点も含めて記事を書きましたのでご一読いただければ幸いです。


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