すごく率直に言えば、ファミリーレストランってここ10年、20年不当に軽んじられていると思うんですよね。記事にも書きましたが、確かに昭和の高度成長期、ファミリーレストランが日本に導入された頃のような新鮮さはもはや感じられなくなっているのは事実だと思います。
さらには、一時期ガストなど一部のチェーンが、価格競争に真正面から突っ込んでいった経緯も結局は価値観を下げてしまったかもしれません。
もちろん素朴に目新しところで食べたいとか、たまには奮発してちょっとイイところで食べたいというのは人情ですし、昔からそこにあっていつでも行けてメニューまで思い出せる近所のファミリーレストランに行くのにワクワクしないのも事実です。
さらには、人間の性(さが)というのでしょうか、ちょっとしたことでも自分の優位性を誇示しないと落ち着かないマウンティング系の方などは、ファミリーレストランというとあからさまに下に見て似非セレブを演じたりもしてくれます。
そんなこんなでどうにも業態自体に陳腐化という言葉が忍び寄る、ファミリーレストランなのですが、やはり近所で朝から夜まで暖かくて十分美味しいモノを提供してくれるレストランという存在がどれだけありがたいものかということです。
記事にも書きましたが、アメリカ出張中某デニーズに早朝入ったら、とてつもなくやる気のなさそうな巨体の女性が、物凄く汚れたモップで適当に床を撫でまわしていてイヤな予感はしましたが、あげくその方がサーブしてくれたハッシュドポテトはなぜか油ギトギト焦げ焦げ、スクランブルエッグはなんと言いましょうかとても卵から作ったと思えない異星感で、這う這うの体で逃げ帰った記憶があります。
私など朝ファミリーレストランで過ごすのが大好きなのです。

もちろんもう少しスペシャルな外食をしたければ、私などは朝食でもちょっと気が向けばホテルの和食や豊洲市場まで足を伸ばしたり選り取りみどりです。ましてランチやディナーの選択肢が無限であることに論を待ちません。

でも、やはりいつでも気軽に好きな温かい料理を出してくれるありがたみというのは、どんな時代になってもかなり貴重なはずです。
というわけで日本の素敵なファミリーレストラン。
中でも質へのこだわりを感じるロイヤルホストさん。
経営的には、コロナの影響も大きく厳しいようなので、その存在価値を見直そうよ、というつもりで原稿書きましたので、ぜひご一読ください。