銀メダル稲見萌寧!! 見所満載だったオリンピック女子ゴルフ観戦記

大興奮。素晴らしすぎる、見応えのあり過ぎる試合展開でした。

日本ツアーの選手も世界に通用することの証明

一時は2位に5打差の世界ランキング1位のネリーコルダ独走、金確定かなと思う他ない展開でした。
とにかく飛距離が違う。ネリーコルダの長身&見た感じ結構な長尺ドライバーによる飛距離は圧倒的で、セカンドショットがほとんどウエッジかショートアイアン。特に、1日目、2日目のグリーンは雨の影響もあったのか柔らかそうで、USPGAのコースの硬いグリーンからみればビタビタビタビタ簡単だったのではないでしょうか。ネリーコルダにとっては、飛ばして、高いウエッジショットでピンの根本を刺していけばいいだけの、ゴルフで、とにかく世界ランキング1位では伊達ではないなと圧倒されました。

が、やってくれました稲見萌寧。ジワジワジワジワ差を詰めて、最終ホールでは1位タイまで詰め寄りました。
元世界ランキング1位で、今年大復調のリディア・コなどにも一歩も譲らないプレーぶりで最後は大混戦。

<写真:JLPGAホームページ>

何が素晴らしいって、稲見萌寧ってちょっと前までJLPGA日本女子ツアーの中堅選手という存在で、ある意味典型的な日本国内主戦場の選手だったわけですよ。それが昨年スタンレーレディースでツアー2勝目を果たしたと思ったら今年5勝の大爆発。あっという間にオリンピック出場権を得てしまいました。
そう、稲見がこれだけ活躍したということは、日本の女子ツアーのレベルも世界に負けてないぞということを証明したように思うんですよね。いみじくも。

もちろん、6月まだ記憶に新しい「全米女子オープン」、笹生優花の、畑岡奈紗とプレーオフでの優勝という大金星もあり、すでに日本人選手のレベルの高さはすでにはっきりしていたわけですが、
普段ほとんど海外の試合に登場しない稲見選手の活躍というところに醍醐味があるように思います。
笹生優花選手の快挙で見えた。強い日本と弱い日本。
松山英樹選手の快挙からなんと2か月で再び歴史的瞬間に立ち会えてしまったのですから、盆と正月がいっぺんに来た程度の例えでは弱すぎますよね。もはや何と言ったらよいか分からないです。 <米女子ゴルフツアー:全米女子オープン選手権>◇最終日◇...

見所1 ファッション

とにかく、近年のゴルフ何が素晴らしいって、ファッション面での進化が素晴らしいわけで、昔はダサいオヤジ臭いの代名詞だったゴルフファッションが、急速な進化をとげていて本当にゴルフにオシャレという新たなそして大きな楽しみを上乗せしてくれています。
ストレッチ性や速乾性、撥水性、通気性など素材研究の進化で、どんな環境でも快適にプレーできるウエア進化のありがたさはどんなゴルファーでも実感しているのではないでしょうか。
そんな新素材は、発色性まで良くて、ゴルフ場のグリーンに映える(ばえる)、ビビッドカラーや大胆な柄表現など普段着とは一味違うデザインの方向性も楽しいばかりです。


(写真:オリンピック公式サイト)
特に筆者は、デサントのデザイン力や縫製パターンの目覚ましい進化に注目していたのですが、今回のゴルフ日本代表チームのウエアがまさにデサント。日の丸カラーも意識した、ジオメトリック(幾何学)パターンの大胆なカッコ良さに惚れ惚れとしてしまいました。
(ちょっと、腕に自信がないと着れないかなあと思いつつ、笑)

コルダ姉妹や今回は上位にきませんでしたがレキシ―トンプソンのUSAチームのユニフォームも、星条旗カラーを大胆に使った抜群にカッコイイデザイン。多分ラルフローレンですよね。
モデル並みのネリー・コルダのスタイルの良さもあって、インパクトすごいですね。最終日は真っ赤なワンピースですものね。この試合を見て、ゴルフに興味をもつ女子も多いのではないでしょうか。

見所2 会場・コース

今回オリンピック会場となった、「霞が関カンツリー倶楽部」言わずと知れた、名門コース。
いかにも日本の名門らしい、年季と風格のある松と、アリソンバンカーなど、日本庭園的な見た目は世界へのアピールも十分でしょうし。そこもまた日本の名門らしい、鬼気迫るコースメンテナンス。もはや、一点のアラも見つけることができません。
とは言え、猛暑の埼玉。もっと涼しいところはいくらでもあったでしょう。キャディーなど熱中症でリタイアする人が多かったのはやはり問題かと。
なんでも、慶応閥だかJOC関係者だかが強引に当初は都営の「若洲リンクス」という案もあったところを「霞が関カンツリー」に持ってきたとのことでしたが、「若洲ゴルフリンクス」が良いかどうかは別として、やはりオリンピックはパブリックコースが良かったようには思います。
特に、これは邪推でしょうが万一でもジュニアの大会でも多く使う霞が関が日本のメダル獲得に有利だろうというようなアコギな発想が1mmでもなかったことを願います。その予想された気温含めて日本選手に有利に働く要素があれば、むしろそれを避けるのがオリンピック精神であり、ゴルフのフェアプレー精神であるようには思いますので。
とにかく、日本は海外と比べて、圧倒的に会員制コースが多いわけですが、やはり不偏不党のオリンピックであれば、プライベートの極地である会員制コース、まして霞が関のような会員権何千万円で一部の人にしか開かれていないコースは相応しくないように思いました。
川奈とか、箱根、軽井沢、日光。関東周辺だけでも世界に誇れる歴史も風格もあるパブリックコースが日本にはいくらでもあるのですから。

見所3 人種・体格を問わないゴルフというゲームの素晴らしさ

普段からUSPGAとか海外メジャーでは、色々な人種体格の選手のプレーを見てきているわけですが、そこはさすがオリンピック、どの試合と比べても人種、体格の幅が広い。
お、こんな国の選手までいるのかとビックリしたり、肌、髪の毛、目の色もまちまち。体格も今回残念ながら現役を引退する中国のフォンシャンシャンのようにパンダのようにおおらかな体格の選手もいれば、コルダ姉妹に至ってはモデルのようなスマートさ。世界の選手と比べてみれば日本選手はやはり大きくはありません。
最後までナイスプレーだったインドのアショカ選手は、そうは言っても暑いのに優雅だなとか。

ロレックスのゴルフ番組でのCMに「ほぼほぼ完璧と言われるゴルフというゲーム」というコピーがありましたが、まさに、年齢、体格を問わずに同じ土俵で戦えるゴルフの素晴らしさ。オリンピックですから他の競技も多く見ましたが、ここまで体格ハンディのないスポーツもそうはないように思います。
体格がすべてじゃないからゴルフは面白い
この記事を女子公式戦「日本女子オープンゴルフ2020」最終日をテレビ観戦しながら書いています。 前半終わって、絶好調-13の原英莉花と、1日目、2日目と好調だった小祝さくら-9で4打差とかなりありますが、3日目もツーサム最終組の二...

と、まだまだ話は尽きませんが、これからますますさらにゴルフが盛り上がるのがといかく楽しみ、うれしくもあります。
お見事でした、稲見萌寧選手。

(写真:オリンピック公式サイト)

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