4月の番組改編、いわゆる朝のモーニングショー枠、TBS系は視聴率が低迷していた立川志らくさんMCの「グッとラック!」を終了させて吉本興業所属の麒麟・川島明MCで「ラヴィット!」をスタートさせました。
(写真:TBSホームページより)
早速、スポーツ紙は口さがなくて視聴率低迷の「グッとラック!」に比べても上がらない視聴率と取り沙汰しています。
「ラヴィット!」はニュースなどは扱わず、各分野の一流プロが教える“お気に入り(=LOVE IT)”を通して、日々の楽しみを提案するライフスタイルバラエティー。ビデオリサーチの調べでは、放送初回の世帯平均視聴率が関東地区で2・7%、2回目(先月30日)2・1%、3回目(同31日)2・2%と苦戦している。 「下がるな視聴率!」ノンスタ石田、ラヴィットMC麒麟・川島に恩返し誓うお笑いコンビ、NON STYLEの石田明(41)が1日、TBS系新バラエティー番組「ラヴィット!」(月~金曜前8・0)に木曜レギュラーとして初出演した。
でもさすがにこれ評価するには、時期尚早ですよね。
簡単にどのチャンネルにある曜日ある時間帯合わせるかという「視聴習慣」は変わらないですからね。少なくとも1年程度じっくり見てあげる必要がありますし、番組提供スポンサーには筆者もそういう理解を求めてきましたし、ほぼ提供社も理解してくれます。
制作者はそんな煽り報道で視聴率を稼いで悦に入っているようなのですが、まったくナンセンスなお話だと思っています。


もちろん一国民として亡国的な所業と憤慨しつつ、広告媒体としてみたときもまったくナンセンスで、あまりにも角度が付いた編集内容の番組を積極的にスポンサードしようというクライアントはいませんし、広告代理店も勧められません。
視聴率を取れれば何でもありと考えているのは当の制作陣だけで、広告媒体としてのテレビ媒体の側面でみるとあまりにも「信頼性」に疑問符がつけば腰が引けます。実際にそれら朝のワイドショーの提供スポンサー企業を見れば、今それら番組を主要企業がどう評価しているか非常に明白ですね。やはり、比較的番組内容と関係なく枠取りされるPTでのスポット売りや通販関係が多いように見受けられます。
何より、ひとつの番組だけでなく、あれほど信頼感とステータスがあったテレビというメディアの価値自体を随分傷つけたように思います。
やはり、新型コロナウイルスのような人類レベルで難しい問題を、「いっちょかみ」レベルの勉強、取材と限られたスタッフのリソースで毎日2時間の尺をキチンと作ることは、それこそNHKにとっても難しいに違いありません。
やはり無理があるのです。
現場の誤った視聴率優先主義の勘違いはともかく、本質的にはそんな編成を許している民放局経営陣の問題です。
令和元年の時点ではテレビは信頼性の面でも新聞に決して劣る存在ではありませんでしたが、今後のネットメディアとの競合激化を考えれば、視聴率主義=接触効率主義ではなく、メディアとしての信頼感というネットメディアが足元にも追いついていない軸をこそ強化するべきなのです。接触効率、特に投下コストあたりではネットに勝てない可能性が高いのですから。
特にナショナルクライアントは、出稿メディアを効率だけで決して選んでいません。
<資料:総務省>
そういう視点でみれば、いったん”いっちょかみセンセーショナリズム”に走りやすい報道、ニュース、政治経済時事ネタから離れるTBSの判断は英断に違いないのです。
幸か不幸か新型コロナ流行もあり、売るための視聴率=GRPが足りなくて困る好況期ではありません。あえて視聴率がとれなくても、センセーショナリズムから一線を画すことは非常に良い方向性だと思います。
「ラヴィット!」、面白かったと思いますよ。
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安心して楽しめて、ちょっと実用的で良かったと思います。
個人的には、朝からあそこまで吉本さんノリ全開はちょっと濃い気もしますが、色々チューニングされるだろうと期待しています。
*それにしてもこのネット時代に「ラヴィット!」というわざわざ検索ワードとして打ち込みにくい番組名の無頓着感は、ちょっとどうなのよ。
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