
私自身もそうなのですが、日本ということで近年一番の進化は「地位財」に対する執着が本当に薄くなったことでしょうか。
いやもちろん、しょうもない人達の集団「いまだに昭和脳で地位とかステータスに執着しているマウンティングゴリラおじさん」とか、本当にいるかどうかは分かりませんが「ママ友仲間に自分のセレブっぷりアピールをやめられないマウンティングチンパンジーおばさん」とか、絶滅危惧種がまだどこかに生存している可能性はありますが、そういう人たちに対する周囲のシラケ切った白い目も最近相当厳しいですから、少なくとも幸い私の周囲にはまったくそういう気配がなく、結果私自身も「地位財」マインドからかなり卒業できたように思います。
他人との比較をすればキリがありませんから、その世界には修羅の道しかありませんものね。そんな気分から脱してしまえばこれほど楽チンに豊かな生活を送れる時代もそうはありません。
ゴルフもプレーだけを考えれば安いモノです。かつて5千万円だった会員権が3百万円になったりで残念な方もいるでしょうが、逆に言えば今やお手頃で素晴らしい会員権が選り取り見取りですし、そもそもプレーすることだけ考えれば会員権ですら必要がありません。もはや結構な名門会員権ですら、誰に自慢できるの??という感じで、威張る相手さえいない時代です。

そんな本当に豊穣さに浸れるな時代ではありますが、わずかながらも入手が難しくなったモノもありますね。
そう。それは良いウイスキーです。
別に通を気取るわけではありませんが、営々とほぼ毎晩なんだかんだと多い少ないは別として飲んでいるわけですから、そりゃあ酒の美味い不味いはイヤでも分かってしまうというものです。

一方で、ウイスキーですよね。コンビニでアンダー3、4千円で普通に売られていた「山﨑」「白秋」「竹鶴」にお目にかかれなくなって早数年ほどたつでしょうか。それではと外国モノに手を出すのですが、私が大好きだった「グランモーレンジィ」「オールドパー」。なぜかかつてほど美味くないと思えてなりません。
もちろん素人のバカ舌ですから、ウルさいことは言えないのですが。とは言え、ガチ勢として好きで飲んできたわけですから、やっぱり別モノになってしまった感は、どうしても気のせいと思えない。もちろん数万円台の数が少ないボトルは、まだまだ美味しいですが日常飲みにはちょっと気が引けます。
やはりいくらメーカーが頑張るとは言っても、同じ樽が二つとないのはウイスキーの宿命でもあり、素晴らしいところです。
同じブランドであればもちろん同じ方向性で製品を作るわけでしょうけれど、やはり樽がなければどうしょうもありません。

実は筆者が今一番恐れているのは、再販売開始される白州。
(写真:サントリーホームページ)
がんばって出してくれるのはウレシイのですが、かつてのあのスムーズで可憐、華やかな風味でなかったらどうしよう。この上更なる喪失感を覚悟しなければいけないのか、余計のお世話と思いつつ心配している今日この頃です。
まあ、そもそも手に入らないかもしれませんが。
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