
そんな中で、私を新年早々とっても幸せな気分にしてくれた一品がこれです。
ダイソーさんで、何気なく並んでいた、石鹸です。
この石鹸というヤツ、実は今やコンビニでもスーパーでもドラッグストアでも脇役扱いで、なかなか買えないアイテムなのですよね。
あれだけ商品数のあるドラッグストアでも、せいぜい2、3品あればましな方で、棚の最下段に申し訳程度に陳列してあります。
置いてある製品もほとんどの場合、花王のホワイト、牛乳石鹸の赤箱、青箱、他にあってせいぜいライオンの植物物語です。
ご存知の通り、それらどの製品も、基本的なデザインもコンセプトもここ数十年変わっていないように見受けられます。
それほど、石鹸というヤツは現在使われていないわけで。固形石鹸230億円に対して液体石鹸1900億円と8倍もの差があります。
(日本石鹸洗剤工業会)
それもこれも、固形石鹸に代わる新しいライフスタイル製品として液体石鹸をプレゼンテーションしてきたメーカーさんや、それをお手伝いしてきた我々広告業界の成果でもあるわけですから、もちろん悪いことではありません。
ですので、つまりここからは個人の趣味の問題と、これは職業病でもあるのですが、私は習慣的に世の中のありとあらゆる製品やサービスについて、いちいち興味をもっていますし、製品特徴、市場環境、売り方などそこはマーケティング視点で、あれやこれやどうしても考えてしまいます。
一言で言えば「広告マンとして自分が担当したらどうマーケティングするだろう」と考えてしまうのです。
そんな視点で見たときに、この固形石鹸というヤツ、本当に興味深い代物なのです。
まず、四角い直方体の黄金比あふれるプロポーションに、硬くも柔らかくもある質感。
マーケティング商材の元祖のような製品でもあるわけですが、文字通り「正統派」という意味での「クラシック」さを感じる佇まいです。
一方の、液体石鹸は軽い泡立ちは優れていますが、往々洗い残し感も出やすく、比べて使うとまったく使用感が違うことは間違いありません。

一方で確かに、液体石鹸の方がボトルからプッシュして都度使い切れますし、石鹸の場合使い切りでない分、使用感のある物質が浴室や洗面所の一角を占拠するという見た目の悪さはあるかなと思いますので、誰もが使う商業施設のトイレなどが液体石鹸一択であることは、さもありなんと納得ではあります。
とは言え、個人的な長年の研究による現時点での結論は、私は固形石鹸派なのです。
そんな、固形石鹸ラバーにとって、良い石鹸を入手する道は、結構こだわり系のインポートものセレクトショップ的なお店で1000円近いお金を払うか、いつもの花王ホワイト、牛乳石鹸、植物物語もしくは、せいぜいナチュラルローソンでちょっとこだわりの固形石鹸を買うかぐらいの狭い選択だったわけです。
そこに、まったく期待していなかったダイソーさんで、神降臨。
とある、一角で突然目に入った。気になる色合い。
日本離れした色味は、間違いなくヨーロッパの本物を感じさせるもので、いつも素晴らしいコストパフォーマンスに感動しつつも
その多くが中国か東南アジアの製品である前提ですからド肝を抜かれました。
間違いなく、質感からも本場のマルセイユ石鹸との印象を持ちながらも、
裏面が読みにく過ぎて、その場ではメイドインフランスの文字を確認できず、恐る恐る一個110円だけ買って帰りました。
使ってビックり。やはりこれは非常に質の良い本場のマルセイユ石鹸です。
その読みにくい裏面シールをはがすと、そこに”Savon de Marseille”と刻印されています。
さっそく全4色買いに走って、440円です。
一つ一つは手のひらに収まるサイズで、マルセイユ石鹸によくある大型のものではありません。
最近は花王ホワイトも牛乳石鹸も植物物語もかなり小ぶりで、すぐ小さくなってしまい不満なのですが、このマルセイユ石鹸しっかりした固さで、小さいけれど減りにくく、使ってみるとサイズ感も十分満足です。
何より、この独特の地中海調としか言いようがない色味の素敵さに、香りがまた日本離れした強い香り。まあここは好みの分かれるところで、多くの日本人は馴染みがないと否定的な意見がでるところでしょうが、ぜひモノ好きな人には、そんな固いことを言わずに、ヨーロッパ旅行をした気分で楽しんで欲しいと思います。

ありがとうダイソー。
私は、ダイソーさんを少しなめていましたね。やるなダイソー。これからもヨーロッパシリーズに期待しています。

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