【第18回 家族に障害児がいます from N.Y.】外出先での困難

うちの子は7歳過ぎまで、外出先でのトイレに入れないという問題があった。それでも5歳位まではオムツを履かせておくことが出来たし、万が一外出先でオムツを交換しなくてはいけない事態が起きたとしても、物陰に隠れてさっと取り換えることが出来た。まだまだ小さい子供という範疇に収まっていた頃は良かったのだけれども、さすがに6歳にもなるとそれもどうかと思い始める。更に6歳の頃には家と学校ではトイレで排尿が出来るようになっていたので、普段からパンツだけの生活になっていた。その頃になるともう外出のためにオムツをつけることも激しく拒否。外出前にトイレを済ませたら後は帰宅するまでの間、何もないことを神に祈るだけ。遠出を極力避け、給水もあまりさせないように心掛ける。とにかくドキドキが止まらない。なぜあんなに外出先でのトイレを拒絶するのか、その理由は本人が語らないから憶測しか出来ないけれど、トイレ独特の暗い雰囲気とか臭いとかが駄目なのかもしれない。でもトイレに入る前から足を向けただけで床に転がり、暴れまくって激しく拒絶するのだから本当の理由は今も全く分からない。とにかく尋常ではない嫌がり方を毎回するのだからトイレに連れて行くことは半ば諦め、トイレに促して嫌がるようだったらもう強制せずに徐々に慣らしていくように方針を変更。長期戦で構えるしかなかったのだが、問題は私と息子が二人で外出した場合、私がトイレに行きたくても激しく嫌がる息子を連れて行くのは無理。そうなると必然的に私もトイレを我慢しなくてはいけないということだ。もちろんトイレに行っている間、息子をトイレの外に一人で待たせるなんてことは無理。猫に水泳をさせるようなものだ。外出する時は事前になるべく水分を摂取せず、外出先でも水分補給を極力避けて遠出をしないように気を付けた。しかし細心の注意を払ってもアクシデントというのは起こるもの。何回か出先で息子に粗相をされたことがある。
アクシデントの処理は迅速に

Engin AkyurtによるPixabayからの画像

毎日、スクールバスから降りて来た息子のパンツのあたりに不吉なサインがないかどうか確認するのが日課になった。言葉を話さない息子はトイレに行きたくても上手く伝えられない。何となく股間のあたりに手をやってモジモジしていたら危険。急いでトイレに向かわなくてはいけない。だけど我慢できる時間も短いのか、アパートの建物の中に入って直ぐ、自宅に辿り着く前に漏らされてしまったことが2回ほどあった。その他にもスーパーマーケットなどの中で2回くらい。トイレのサインに気付いて慌てても時すでに遅し、あっという間にダムが決壊してしまうようだった。そんな時もあろうかと常にカバンの中には後始末に必要な物をしのばせておく。数枚のペーパータオルやウェットシート、ビニール袋等々。「あっ!」と気付いたらサッと屈んでパッと粗相したものを拭きとる。汚れたものをビニール袋の中に入れて口を縛れば完了!あとはそそくさと現場を去るのみだ。しかし理想通りにサッと後始末が出来る時ばかりではない。時にはお店の人からそっとペーパータオルの追加を渡されたり。もう申し訳なさから頭が垂れてばかりですっかり猫背に、、、。一度は近所の小さいお店のレジの真ん前でしゃがみ込んで大きい方をしたこともあった。店の人の「お母さん、お母さん!」という必死の呼びかけに振り向いたら、そこに今、まさに排便中の息子が、、、、。あの時は本当に頭の中が一瞬真っ白になった。もの凄い倍速で現場を片付け、謝りまくってお店から出たけれど、息子は少し汚れたパンツを履きたくないと抵抗するし、本当に散々だった。今でも真っ黒な黒歴史。
何事も気長に
散々、散々、悩まされた外出先でのトイレ問題も7歳を過ぎた頃から少しづつお店のトイレに入れるようになっていった。毎回ではなかったけれど、成功する回数が増えて行ったことでこちらのストレスも軽減していった。無理やり連れて行ったこともあったけれど、結局は時期が来るのを待たなければいけないことが多いように思う。トイレも少しづつ、強制せずに声を掛けながら徐々に慣らしていくことが大事だった。最初の頃はエアドライヤーの音が怖くて大声を上げることも多かったけれど、それも年齢が上がるごとに軽減されていったように思う。何事も長期戦で構えなければいけない子だが、トイレについては本当に長期戦。今もまだ外出先のトイレに一人で入ることは出来ない。まだまだ訓練していかなければならない課題は沢山あるけれど、焦らずに一つづつ課題をクリアーしていこうと思う。

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