

「日本は島国」という言葉は、我々の脳内に強く刻まれた世界における日本の立ち位置の基本認識のようなものですが、本当につくづく真実だなと感じています。つまり歴史的には、日本はユーラシア大陸に程よく近いことで稲作や仏教とともに文字、治金、製陶などありとあらゆる最新技術を手に入れつつ、攻め込まれるには程よく離れていることで中国に支配されることも免れるという、地政学的に極めてラッキーな場所に国が立地していたと思っています。有り体に言えば「美味しいところどりの立地です」。
もちろんユーラシア大陸の国々ように常に他民族との血で血を争う戦いを余儀なくされてきた国とはまったく違うのですが、やはり決定的に日本の歴史が変わる局面局面では外国からの影響が直接的間接的に影響したことを再認識します。

そもそも縄文時代から弥生時代の違いは、中国や朝鮮からの渡来人が稲作を伝えたことです。
その稲作によって定住での生活が進み、「むら」から「くに」への生活基盤を実現したわけです。
更に、聖徳太子が遣隋使に「日出る処の天子、書を、日没する処の天子に致す。恙なきや。」という書簡を持たせたことが隋の皇帝を激怒させたと言われますが、多くのアジアの国が欧米列強に植民地化された時代にも日本が独立を保つ気構えをもてた思考法の出発点とも言えます。
大化の改新、大宝律令と唐の制度にならった政治改革、そもそも奈良時代平城京は唐の長安をそのまま模して造られた都です。
と上げていけばキリがありませんのでこれぐらいにしますが、黒船がきたことで明治維新が起きたこと、太平洋戦争敗北で現在の憲法が制定されるに至ったこと。
とにかく日本の致命的に影響の大きな歴史転換には外国からの影響が大きいですね。
hebloによるPixabayからの画像
一方で、鎌倉、室町、戦国、江戸という武士の時代にあまり外国の影響を感じないのは、そもそも武装している理由が内戦のためとは言え強力な武装国家状態が良くも悪くも外国からの干渉を受けにくいバリア状態を形成していたと言えるのかもしれません。
あの強力なモンゴルを、地政学的、気象的アドバンテージがあってのこととは言え、はね返したわけですから大したものです。
そんなある意味地政学的に守られ続けてきた日本も、海だけでは国土を守れない兵器進歩の時代には太平洋戦争であっさり負けたわけですから、もはや「日本は神の国」と安閑としていられるわけもありません。
歴史的に他民族に侵略される経験の少なかったがゆえに「平和ボケ」的な日本人ですが、もはや今の時代は日本海を軽々と船でも、飛行機でも、ロケットでも攻めようと思えば攻められるわけで、国際政治は面倒だと我関せずで生きていくことが難しい時代であるというのが、現実的な現状認識だと思います。
もちろんアメリカの大統領選挙を他人事とゆったり眺めていられる時代ではまったくありませんね。
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