ゴルフはネット中継で花開く

JLPGAツアー2020-21年第8戦『スタンレーレディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が10月11日、静岡県裾野市・東名カントリークラブ(6,572ヤード/パー72)で行われ、稲見萌寧が激戦を制した。第2日が荒天で中止。36ホール決戦となり、優勝争いはし烈だった。通算5アンダーで稲見、ペソンウ、浅井咲希が並び、勝負はプレーオフへ。1ホール目、稲見がバーディーを決め、JLPGAツアー通算2勝目をあげた。
勝負強さを発揮 稲見萌寧『追い込まれると強い』|JLPGA|日本女子プロゴルフ協会
一般社団法人日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の公式サイトです。

台風の影響もあり2日間大会になりましたが、逆に独走の選手も出てこない状態でなかなか見応えがありました。

小祝さくらや笹生優花、原英莉花、古江 彩佳など実力派の若手も軒並み上位で、海外でのなかなかシビアな武者修行から帰国する渋野日向子も戻ってきますし、本当に面白くなってきましたね。

アマチュアの我々にとっても、絶好のゴルフ日和の季節となってきましたしね。

さて今回の大会特徴的なのは、JLPGAの本ツアーとしては異例の地上波のテレビ中継なしでした。
CS放送だけとなれば、ケーブルテレビやスカパー加入者しか見ることができませんから、そこだけ見ればステップアップツアーのような扱いと言えなくもありませんが、

【CS放送「スカイA」】予定
10月9日(金)23:00~27:00(VTR)
10月10日(土)19:00~23:00(VTR)
10月11日(日)8:00~11:30(生放送)
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その代わりと言ってはなんですが、ネットでのライブ中継がありました。
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ティーグラウンドやグリーンを固定カメラで映しても良いし、ハンディカメラで注目選手に密着する映像も良し。
それぞれを別チャンネルで中継しても良いわけですから、自由自在です。
何よりゴルフ中継の良いところは、カメラのスイッチングで視聴者側が退屈しないかたちで、どんどん注目プレーを切り替えていけることですよね。

確かにそこだけとれば、地上波テレビでもマルチチャンネル中継を除けばできることなんですが、こうなってくると地上波テレビ中継最大のネックは放送時間枠ですね。最初から放送時間が決まっているがゆえに、どうしてもライブ中継とはならず少し余裕をもった15時とか16時の放送にならざるを得ません。実際に今日の試合のようにプレーオフとなって長引けば、肝心のプレーオフ決着の場面を放送できないということになりかねませんものね。
そういう意味では、地上波ゴルフ中継は実際には録画を当日した映像となるわけです。
でも、このスマホ時代ですから、優勝決定の情報はどうしてもネットで中継前に速報されたります。オチオチ地上波のテレビ(録画)中継があるまではスマホ画面にも触れないんですよね。
これも一昔前であれば、テレビ局の影響力で報道管制が効いたんでしょうけれど、今やそんなコントロールが効くわけもありません。今は無観客ですけれど、ギャラリーが入れば速攻でギャラリーがSNSで優勝速報しますもんね。1時間も2時間もあとに中継されても厳しいモノがあるわけです。

しかもネット中継と地上波放送を比べると、あまりにも地上波放送の広告量が多くてやはり妨げられた感が強いです。まあ私が言うのも変かもしれませんが、広告主にしてもシェアオブボイス。つまり放送枠内の自社広告の比率があんまり薄ければやはり提供の印象は薄いモノとなってしまうというフラストレーションがあります。
それぐらいだったら、1社買い切りでネット中継した方がましという考え方も成立します。

放送局の側としても、確かにゴルフ中継はテレビ放送枠込みで数億円の予算でスポンサーに冠協賛してもらいますから、それなりの事業価値のあるコンテンツではあるわけですが、いくらゴルフファンが世の中多いと言っても大多数は関心のない層相手の放送業なので、1時間も2時間もゴルフ中継オンエアで良いのかという問題もあります。

つまり、ターゲットの面でも、放送時間にとらわれないという面でも、ゴルフ中継は地上波向けというよりもネット中継向けだと確信します。
だからこそ、数年間綱引きが続くJLPGAとテレビ局間での放映権問題ということが発生しているわけです。
https://www.pargolf.co.jp/special/122089

今回のネット中継、チャンネル登録者数1.05万人、54万回再生となっています。

もちろん全国放送の地上波放送であれば全国放送での世帯視聴率1%~2%程度の数字ですから、まだまだ大したことないとも言えるわけですが、大した告知もない中で結構見られたよねとも言えるわけです。
こんな実験的な段階でこの数字であれば、ゴルフ中継はネット中継されるものとなれば10倍以上数字は伸びるかなとは思います。
もちろん広告モデルの確立した地上波の中継と違い、ネット中継自体からは大した広告料収入はあてにできませんが、冠協賛社の企業訴求という意味では十分ネット中継だけの方式もありだなと思うところです。

(写真:スタンレーレディース大会ホームページ)

【秋月涼佑:ゴルフ過去記事一覧】

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