先日のフェアレディZプロトタイプの公開に引き続いて、海外で展開されている日産の上位ブランドインフィニティのミドルサイズSUVのプロトタイプが公表されました。インフィニティQX60 モノグラフ。
(写真:すべて日産グローバルプレスリリースより、以下同)
カッコイイですよね、難しいことを言わずしても。
アッパーボディーのグリーンハウスとボディ2トーンカラリングのイメージもあって、ちょっとレンジローバーっぽさも感じなくはないですが、大きくてカッコ良いグリルや抑揚の強い滑らかなライン、ブラックアウトしたグラスエリアも未来的です。クロム使いなど含めて高品質をすごく感じます。
ミドルサイズとは言いますが、日本では十分フルサイズでしょうかね。欲しいという人は多いのではないでしょうか。
でも難しいところですよね、並みいる外車勢にレクサスがひしめく日本の自動車アッパー市場にここから割って入っていくのは。
内紛劇、コロナもあって厳しい日産自動車さんですから財務的にも厳しいはずです。

確かに日本よりはるかに小さい市場ですが、最近注目を集めている韓流ドラマを観ていると、プロダクトプレイスメントのオンパレードです。ちなみに「愛の不時着」はジャガー、レンジローバ。「梨泰院クラス」はメルセデスベンツ。「アルハンブラ宮殿の思い出」はレクサスとひしめき合っています。要は、中途半端ではマーケティング的にも、販売体制的にも強豪ひしめく市場で成功がおぼつかないというこだと思います。
ということは、インフィニティQX60 モノグラフ販売されることになっても日本導入は厳しいかもしれません。
今までも並行輸入する人はいましたが、それが精一杯かもしれませんね。
実際日産自動車のブランドとは言え、開発も生産も北米ですからもはや外車そのものです。
実際に経営的にみれば、もはや自動車会社にとって日本市場の優先順位は下がるばかりです。要は、どんどん縮小するのに要求水準も高くめんどくさい市場になかなか関わっている場合でもないというのが本音でしょうか。
とは言え、追い詰められた日産さん。まずはロゴマークを変え、「やっちゃえ日産」を木村拓哉さんに変え(それにしてもちょっと前まで木村さんタケシさんとトヨタの企業広告に出演していたことを考えると、分かっちゃいるけどなんだかなぁ、とは思ってしまわなくはないです。)
そしてフェアレディZに今回のインフィニティSUV共に、あくまでプロトタイプです。従来であれば、まだまだ世に出す段階じゃないと開発・デザイン陣抵抗したに違いありませんが、ここは新生日産をアピールするためにもなりふり構わず経営陣が押し切ったということかと思います。

でも応援したいですね。こう見てもクルマは悪くありませんし、マーケティングも間違っているとは思いません。
それにしてもゴーンさん追放劇のお家騒動はブランドを毀損して痛かった。
これだけの自動車を開発する力があって、世界に通用する日本企業(資本関係をひとまず置いておいて、日本人がイニシアティブをとり日本に本拠を置く企業)はますます貴重です。
がんばれ日産!
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