12年ぶりのフェアレディZ発表、このデザインはきっとカッコ良い

デザインの第1印象に対しては、人それぞれ色々評価が分かれそうです。



(写真:発表サイトより、以下同)

ネットではカラーリングの印象もあるんでしょう。「アストン・マーチン・ヴァンテージに似ている」などとの声をチラホラと見かけます。確かに自動車好きの第一印象としては納得できますが、車両価格2000万円近い高級スポーツカーであるヴァンテージとパッと見の印象とは言えオーバーラップして見えるのであれば成功と言えます。

(アストン・マーチン・ヴァンテージ)

今のところ新型Zの値段は550万円~700万円と言われていますから、同じ日産のGT-Rの半額程度。
かつてプアマンズポルシェと呼ばれた時代もありますが、要はアフォーダブル(現実的に買える)な高性能スポーツカーというZの伝統的なポジショニングは踏襲されたということでしょうから、うれしいことです。

トヨタのスープラもそうですが、自動車という産業にとって”走り”、”純粋に走行することの痛快さや爽快さ”の価値というのは突き詰めれば”魂”のようなものです。”走り”を忘れた自動車会社は終局ブランド価値を崩壊させます。例えばホンダなどもF1に参戦したりNSXというスーパーカーを販売したりしているにも関わらず、多くの販売車種が実用的なクルマになってしまい、かつての高いブランド評価を下げ続けていると言われています。

トヨタが豊田章夫社長の肝いりでトヨタスープラを復活させたのも逆に言えばトヨタのブランドアップのためです。
下記、スープラ発表時に私がアゴラになぜ自動車会社にとってスポーツカーが重要か書いた記事がありますので、よろしければご一読ください。
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でも難しいのが、ファミリーカーと違い台数の出ないスポーツカーは、自動車会社にとってまったく儲からないプロダクトであるというところが厄介なところなのです。

だからこそ、新生日産自動車としては、自分たちのレゾンデートル、生存証明をかけて、採算を度外視して日産の”走り”のDNAを世に問うていきたいと考えているのだと思います。

とにもかくにも、日本人は自動車産業ひしめく国に住んでいてラッキーです。痛快な走りを楽しめるスポーツカーを、選り取り見取りこんなに気楽に買える国は他にありません。
我々大人は、二台目の自分が走りを楽しむクルマとして、今回のZにカッコよく乗りたいなと思います。

それにしても、長年の自動車好き、自動車のマーケティングに関わることも多いのですが、自動車のデザインって本当に難しいといつも感じます。
最初は違和感があっても、長い年月の中でカッコよく見えてくるクルマって確かにあります。
むしろ、10年単位で見ないと本当にカッコ良いデザインって評価できないのかなと、最近はつくづく思いますし、自動車好きの段階が上がると必ず古いクルマがカッコよく思えてくるものです。

そういう意味では、この新Zを早々に買って、ずっとこれから持ち続けてエイジングしていくのも素敵な道楽になるかもしれないなと思いながらこの発表を見ていました。

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