「わたナギ」「逃げ恥」家政夫(婦)さんとの恋に萌える日本

普段は、ほとんどテレビドラマを見ない私ですが、家族が喜んでみているのにつられてちょっと見ました。
最近友人のオススメもあって観始めた韓流ドラマと比べると、まったく事件らしい事件も起きず、生活描写的ワールドに終始する展開には、「これで大ヒット?」と憎まれ口も出てしまう私なのですが、
多部未華子さん、大森南朋さんのチャーミングなキャラクターは確かに素敵でちょっと好きになってしまいました。

(TBSホームページより)

ただ気楽に見れば良いのでしょうが、なんでも評論家的に考えてしまう私なので、ちょっとアレコレ考えてしまいました。
まずこのドラマって同じTBSの「逃げるは恥だが役に立つ」にちょっと似てますよね。もしかしたらスタッフが被ってたりするのでしょうか?「逃げるは恥だが役に立つ」も星野源さんと新垣結衣さんが可愛いかったですよね。

(「逃げるは恥だが役に立つ」公式Twitterより)

まず似ているなと思ったのが。みんな登場人物全員が奥ゆかしくて言葉も丁寧で悪行を繰り広げる人が登場しない。あくまで全篇そんな奥手の人たちの繊細な感情のやり取りでドラマが構成されています。
しみじみと今の気分だよな。と感じましたね。会社でも多分学校でも、パワハラ、セクハラの空気感だけでも嫌悪する時代。
そんな今の気分に両ドラマともピッタリですよね。不快な空気を一瞬も感じることなく1時間観ていられます。
一方で、私なんかは「カイジ」で藤原竜也さんが「ゥぐおお!」とのたうち回るのが大好きだったりしますから、そういうカタルシスが一切ないドラマではありますよね。もちろん、マシュマロのようなスイートで角が一切ないものを食べたいときもありますからね。それにしても時代だな~とは感じます。

もう一つは、家政夫(婦)さんが家に出入りすることを起点に、お互い遠慮したり尻込みしながらも恐る恐る恋愛に発展する展開。人間誰しも、恋愛に億劫だったり、臆病なところがありますからね。確かに共感できる気持ちが分かります。
合コンには抵抗がある主人公たちだけど、期せずして家政夫(婦)さんとしてやってきた方に徐々に恋心が芽生えてしまう。しかもかなり恐る恐る。
そんな気分誰でもありますよね。昔から映画やマンガでたくさん描かれてきていますが、恋愛を求めてウロウロしていたわけではないのに、偶然の出会いが必然になる。「ローマの休日」も「タッチ」もある意味恋愛ドラマに不可欠な要素なのかもしれません。
お見合い前提の昔と違って、自由恋愛が理想とされる現代って結構面倒臭い時代かもしれませんよね。自由恋愛を純化させていけばいくほど、合コンや婚活パーティーのような作為的な恋愛対象を探す行為がちょっとしたマイナスに思えてくる。究極にピュアな自由恋愛は意図しない出会いから発展することが理想に思えてくるという。
確かに、色々な調査でパートナーに出会えない人の多くが「出会いの機会がない」というのが定番の回答です。
そんな、ピュアな自由恋愛にこだわりながらも、なかなかそんな機会に出会えない。そんな現代のリアルに「わたナギ」「逃げ恥」はちょっとしたファンタジーを与えてくれるようには思います。

とにかく、そんな幾重にも今の日本を感じさせてくれる「わたナギ」「逃げ恥」現象ではありました。

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