あえて日本人に違和感を問う。大阪万博のロゴはこれで良い。

ネット上では早速「気持ち悪い」「怖い」と、ガソリンに火を付けようと躍起なようですが。

私は、このロゴで良いと思います、

(ロゴ:2025年日本国際博覧会ロゴマーク公募事務局HPより)

選考委員会座長の安藤忠雄氏は「違和感が良い」と発言されたそうですが、この言葉強烈な重みがあると思います。
つまり、安藤忠雄氏と言えば、国立競技場選定コンペの選考委員会の審査委員長でもあったわけですが、
宇宙船のようなザハ・ハディドの案を最終決定、実施設計までしながら華麗にひっくり返されているわけです。
その際多くを語りませんでしたが、思うところない訳はありません。
私自身、隈研吾の実施案は素晴らしいけれども、やはりザハ氏の大胆さまさに「違和感」を受け入れられない、日本人の精神の枯れ方、萎え方には残念な気持ちもありました。
【アゴラ掲載】隈研吾設計・新国立競技場に見る「日本人の選択」
隈研吾さん本当に売れに売れまくってますよね。記事で取り上げた新国立競技場やJR東日本の高輪ゲートウェイ駅といった公共的なものから、渋谷駅の再開発ビル、はたまた中目黒には「スターバック スリザーブ ロースタリー」といった商業施設まで。とにかく...

東京オリンピックのロゴにしたってそうじゃないですか。
佐野研二郎氏のデザインに比べて、現在の着地案のパワーのなさ、枯れ方はまさにおじいさん&おばあさんの国、日本としか言いようがありません。
あのときだって、パクリだなんだと大騒ぎになったわけですが、むしろ日本人が「違和感」や「テイストの強さ」を受け入れられない気分が出発点だったように思っています。

そういう意味では、安藤氏の本拠地大阪。
大阪万博で、丹下健三氏のクリーンでスキのないモダニズム建築の大屋根を、殴り合いのけんかまでしてぶち破る縄文日本の爆発的エネルギーに日本らしさを表現した岡本太郎氏。まさにその大阪で、あえての「違和感」をあらためて世に問うた、安藤忠雄氏。

何度も大病を繰り返しながら、鬼気迫る反骨心。
これぞ安藤イズムと、うれしくなりました。

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