タレント事務所からすると、広告代理店は「クライアント至上主義で無理を言う。」という内容です。

なるほどなーと読みつつ、やっぱり物事って面白いですよね。
これが広告代理店からすると、タレント事務所は「タレント至上主義で無理を言う。」と感じてしまっているわけですから、なんとも”立場変われば人変わる”ということかもしれません。
例えばジャニーズ事務所は縛りがきついなど、一般の方でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
私自身はジャニーズ事務所さんと仕事したことがないのですが、業界仲間は良く事務所の言うことを聞いて企画変更重ねていると、タレントのプロモーションビデオのようなものになってしまうとボヤいていました。少なくとも広告業界では誰も評価しないつまらないCMになると言うことです。
日常実務の面でも、代々ジャニーズ事務所のタレントさんは決まっていて、クライアントの担当者が熱心な方に代替わりしていると、つまり商品認知や製品販売を真剣に考えている方だと、タレントさんのプロモーションビデオでは納得されない場合も多いですから、広告代理店の担当者は間に挟まれて苦しむことになります。
Alp CemによるPixabayからの画像
確かにタレントさんは生身の体を晒して頑張ってくれるわけですし、その分肖像権を含む権利を持っていて立場は弱くありませんから、広告代理店としてもタレント事務所さんが何をするにしても首をタテに振ってくれることは不可欠なのです。
もちろん、クライアントも広告代理店も、せっかく起用・協力いただいているタレントさんに無茶を言う気はまったくないですから、純粋に企画上の必要性での演出になかなかOKをもらえなかったりすると本当に困ってしまうこともしばしばです。しかも、NGの理由がどうにも理解しがたいといった場合ならばなおさらです。

マシュマロさんともなんで韓流面白いんだろうと話たのですが、やはり役者さんの演技の振り切れ具合がこの魅力を生んでいるように思います。国民性の違いもあるのでしょうけれど、やはり日本のドラマに比べると感情表現の振れ幅が大きい。見ていて感情移入しやすいんですよね。韓流ドラマを見てしまうと、日本のドラマは総じて薄口というか”スカしてる”感じがしないでもありません。
「半沢直樹」が大人気ですが、日本でもやっぱりやり過ぎぐらいわかりやすい演技が求められているのではないですかね。
これもあくまで広告代理店的スタンスから考えればですが、タレント事務所さんのタレントの守り方ってそもそもちょっと古いんじゃないかな?と思います。テレビやメディアが憧れの絶対的な存在だった時代は、タレントはあくまで遠い存在のくしゃみもしなければトイレも行かないように”守れ”ばよかったかもしれませんが、そんな時代は確実に終わりつつあります。
ネット時代に”情報の非対称性”は完全に崩れるはずです。要は、そんな作り込んだタレントさんにリアリティが感じられない時代になりつつあるのです。フワちゃん人気などにもその兆候が良く出ていると感じます、
冒頭の記事でもハズキルーペのCMのお話が出てきますが、あのCM広告主の社長さんが普通のCM制作に飽き足らず自らキャスティング、演出したと聞いています。
要は、従来の広告代理店とタレント事務所協業スキームCMへのアンチテーゼでもあるわけですね。
そうこうしているうちに時代はテレビから、YouTubeやNetflixなど、メディアのプラットフォームが変わりつつありますから、そんなタレント事務所と広告代理店のある意味のどかだったかもしれない綱引きも、丸ごと昔話になってしまうような気もする今日この頃です。
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