雑誌の薄さが目に染みる。雑誌メディアの断末魔を目の当たりにする悲しみ。

個人としてしも活字中毒、メディア中毒。そんな性分もあってよろずのメディアを仕事にできる広告業を選択したぐらいの筆者ですが、書籍は別としていわゆる伝統的なマス4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)とネット媒体の中で、どのメディアが一番好きかと問われれば、圧倒的に「雑誌」です。
あ、これは仕事としてでなくあくまで私生活に楽しむメディアという意味でです。ビジネスで考えればそりゃテレビとほとんどの広告マンが即答に違いありません。

「雑誌」のテーマ性は、それぞれの世界を私に教えてくれました。自動車、インテリア、建築、ファッション、ゴルフ、グルメ、時計、オーディオ、音楽などなどきりがありません。特にライフスタイル分野での深堀力、表現力は他メディアの追随を許さない表現力がありますよね。
私生活でのDX(デジタルトランスフォーメーション)にまったく抵抗がなく、実際にかなりの所蔵数だったCD、レコードをすでに10年前にはハイレゾデータとしてリッピングしてしまいハードメディアを処分してしまったぐらいの私ですが、やはり雑誌、書籍は紙媒体で読みたい派です。
やはり電子書籍では、雑誌のグラビア表現はとても再現できていませんよね。

でも、そんな雑誌好きだからこそビビッドに感じる、最近のページの薄さと値段の高さ。
そもそも書店自体が希少な存在になりつつあることをヒシヒシと感じていますが、最近の紙媒体離れは、もちろんメディア接触の大部分がネットメディアへへ移行していることと背中合わせい可処分自体もスマホに吸い取られ他メディアに配分されなくなっていることから発生しています。

何せ、紙代+印刷代+物流コストがかかる雑誌と、ウエブメディアでは費用構造が100倍は違いますから
やむを得ないメディアパラダイムの変化ではあります。

(写真:AC)

逆に言えば、いかに雑誌というメディアが贅沢なものであったか。とも言えるでしょう。

もともと広告業界の人間にとってさえ雑誌の発行部数は参考程度という感覚ですが、コロナ以降の実売部数など正直知りたくもない数字であろうことは察しがつきます。生活者が自宅で過ごすというアドバンテージを補ってあまりある、書店や小売りの営業自粛、紙媒体への接触忌避で大幅部数減ではないでしょうか。
さらに追い打ちをかけるのが、広告減に違いありません、今のタイミングで雑誌広告に積極的な広告主はなかなか思い当たりません。

そういえばつい先日も「カジカジ」というファッション誌の休刊が伝わってきました。

でも、休刊ラッシュは間違いなくこれからでしょうね。

悲しい予感を、書店の店頭で、限りなく薄くなった上1000円超え。雑誌好きの私でさえ購買をためらうようなかつて圧巻の充実度だった各誌を手にとりながらため息がでました。
しかもなぜか各誌とも印刷の発色さえ悪い。もしや紙代やインク代まで苦しくなっている?

なんとも切ない今日この頃なのでした。

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