外国人の下で働くとはどういうことか① 外国語の問題

振り返ると日本というのは本当に奇跡的にラッキーな国でやってきました。大陸から文字だ科学だ宗教は入ってくるけれど、適度に海で隔てられていたので本格的に攻め込まれることがなかった。海で隔てられていても日本がもっと人口が少ない小さな国だったらあっさり侵略されてしまったのでしょうが、小さな国でない上にいつの時代もそれなりの体制があって比較的安定していた分易々とは攻められなかった。
ユーラシア大陸に目を移せば、典型的には朝鮮半島ですが常に中国からの圧迫を受け、時の中国権力からの干渉もあって厳しい歴史です。ヨーロッパにしたって、ヨーロッパの源流となったローマ帝国にしてからが侵略と征服の歴史ですから穏やかではありません。
やはり元々住んでいようがなんだろうが他民族に征服されてしまえば、奴隷もしくは下級市民扱いの階級制ですから悲惨なものです。

こういうことを話すと「日本民族が優秀だったから」というヒットラー的な民族論に短絡する人が多いように思うのですが、なぜマリオ族の国家がG7にいないのか、なぜ国連安全保障理事会メンバーはユーラシア大陸かそこから派生した国だけなのか。民族の能力の差より、いかに地政学的な必然が国家文明の発展を規定してきたかはぜひ下記の本をご覧ください。
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さてそんなラッキーな日本でしたが、本当にこのまま自分たちのアイデンティティを守って平和に生きていけるんでしょうか?もちろん日本は世界的にも厳しい移民制限で知られています。新型コロナウイルス流行であれだけインバウンド、インバウンドと言っていた外国人旅行者も減るでしょう。気分的には再度鎖国したいとの内向きの論調が多いようにも思います。

でもかつてと状況が違うのは、マネーの世界ですよね。市場がグローバルに開かれてしまっている。要は弱ってしまえば、外国人が会社を買うことが簡単にできるわけです。実際、自動車産業だけみてもスウェーデンのボルボは今や中国資本です。イギリスのジャガー、レンジローバーはインド資本、日産も実質的にはルノー傘下ですよね。それがグローバルな市場主義というものです。
日本だけ見ても小さい業界ながら私が衝撃をおぼえたのは、先回も紹介しましたが、かつて世界に名だたるトップ企業があふれてたオーディオメーカー。気が付くと名門企業がほとんど中華系資本になっているではないですか。
【アゴラ掲載】オーディオが“来る”時代、オンキヨー身売りの残念感
アゴラ言論プラットフォームに、新記事を寄稿しました。 オーディオが今まさに”来る”時代に、日本のユニークな音響機器メーカーがほとんど外資に身売りしてしまって残っていないことは残念なことです。 そんな気持ちを記事にしています。 「秋月涼...

もちろん経済はグローバリズムの時代ですから、今さら何を言っちゃってるのなんですが、私がビジネスの前線で見てきた限り、多くの日本人にとって外国人の下で働くことは地獄でしかありません。
(ちなみに私自身は実は比較的得意な方なのですが、一般的に当てはまるスタイルではありません)

まず英語の問題です。英語ができない人ほど「英語を勉強すればペラペラになる」と簡単に考えている節があるのですが、ノンネイティブにペラペラという領域はありえません。重荷を背負っていくがごとく、TOEIC満点近くなってもストレスが残るのが英語です。

実は日本人の英語に対応する外国人上司の方も相当ストレスを抱えていて、どうしても英語の下手な日本人をバカにしてしまいます。どんなに優秀でも”能力x語学=外国人上司から見た能力”なので、語学ができないだけで相当レベル実力が減衰して見られてしまうのです。そして大多数の日本人はこのカテゴリーに当てはまりますから、日本人自身も不満を持つようになります。

jami__によるPixabayからの画像

一方で外資系などでよく言われる”語学屋さん”という人たちもいて、能力は怪しいのに語学ができるので外国人上司の覚えがめでたく重用される。これがまた、日本人同僚からは非常に不公平に感じられてしまうわけですね。

特にバリバリの日系だった企業が外国人に買収されると、語学の面だけでも日本人総ストレス状態になりやすのです。カルロス・ゴーンなどかなり自重していた方ですよあれでも。自分があれだけバリバリに何か国語でも仕事ができてしまうと、東大卒だろうがなんだろうがバカにしか見えなかったはずですが、あれでも抑えていたというわけです。

もちろん白人を中心にエグゼクティブである限り、基本としての紳士的マナーはほとんどの人が備えていますが、長く厳しいビジネスの現場で一緒に働けばそうとばかりも言っていられないわけで、そのマナーさえ慇懃無礼と感じる瞬間も出てきます。
ゴーンの末路を見れば、まさにあれが外国人エグゼクティブと日本人従業員”魂の相克”の典型のような状況とも言えるわけです。

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