【第10回 家族に障害児がいます from N.Y.】ニューヨークのコロナ狂騒曲 第二弾

外出禁止令が出てから既に1か月くらいが経とうとしているが、状況は好転しているというより益々厳しくなっていると感じる。一番酷い感染のピーク時は過ぎたようだが、それでも当初の頃よりも人々の事態の受け止め方がシリアスになってきていることを感じる。きちんとソーシャルディスタンスを取ることは徹底されてきており、感染を広めない為のマスクの装着も徹底されてきている。スーパーマーケットなどのお店に入店する際、入場制限が設けられているために、お店の外に約6フィートの間隔を置いて人々が並ぶ光景も御馴染みになってきた。こういった努力のお陰か、少しづつではあるけれども新規の感染者数が徐々に減ってきているようだ。このまま早く事態が収束してくれればいいが、このコロナウィルスは簡単なウィルスでは無さそうである。よって、まだまだしばらくの間は今の状態が続くわけだが、、、、、これは地味にボディーブローが効いてきたボクサーのような心境にさせられる。

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学校閉鎖

まず何よりも何が一番キツイかと言われたら、子供の通う学校が閉鎖状態になっていることだ。当初は4月20日まで閉鎖ということで、その段階ではひと月ちょっと学校が閉まるということだった。それでも随分と長いお休みが突然と始まってしまい、戸惑う事ばかりであったが頑張る気にもなっていた。しかしそれが今ではもう9月の新年度開始まで閉鎖予定である。アメリカでは9月から新学年が始まり6月の末で終了するのだが、今学年は始まって半年ほどで実質終了になってしまったわけだ。子供が学校に行っている間が一番活動出来る時間帯であったわけだが、それが丸々無くなってしまったのだから心理的にも物理的にも大打撃。自由に動ける時間は圧倒的に無くなってしまった。NYの古いアパートでは室内に洗濯機などを置く場所もなく、置くことすら禁止されている物件が多いので必然的に洗濯は屋外のランドリーなどを利用することになる。我が家の場合、アパートの建物の中に数台のコインランドリーを置いてくれているのでそこを利用しているのだが、それでも自宅から出なくてはいけない。

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Mitul Shah fromBurst

学校があれば子供が学校にいる間にそういったことは終えることが出来るのだが、子供がずっと家にいるとなるとチャンスや時間は限られてくる。スーパーマーケットへ買い物へ行くのも旦那さんが息子の面倒をみていられる時か、みんなで一緒に行ける時しかチャンスは無い。もちろんゆっくりと商品を選ぶなんていう猶予は与えられていない。息子は他者への配慮なんて全く無いどころかマイナスだから、自分の興味のあることにしか関心がないし、自分本位に行動するから全く目が離せない。一緒に行動しているとこちらの心拍数が上がるというものだ。こちらがまだ買い物中でも、退屈したら勝手に外に出て行ってしまうような子だ。あちこち商品を触ったりもするから、それを制止しなくてはいけないし、他人との距離感もないからこのご時世にむやみに他者に近づかないように行動も制御しなくてはいけない。それら全てのミッションを同時にこなさなければいけないから、本当に神経が疲れる。学校が無いことで普通のことを普通の感覚で出来なくなっている現状がまだまだ続くということで、軽い絶望感を味わってしまうのだ。

人生の修行の一環?

そして学校が無いことで子供の日中のスケジュールも乱れ気味。すっかり遅寝、遅起きの人に変貌。普通の子のように、リモートで先生や友達と繋がって授業をするようなことは無いのだが、一応課題は毎日クラス担任や各セラピスト達から出される。課題提出を求められるものもある。OTとのセッションだけは週2回、各30分リモートで繋がって指導を受けているが、これもなかなか座らせておくことが大変だ。とにかく全ての課題について、学校があれば学校の中でそれぞれの担当者にみてもらい課題を行っているのだが、それらのことを全て親がこなさなければならないわけだ。つまり普通の生活に更に子供の指導、監督という業務が足されることで忙しさは倍増し。課題の内容を説明して、あとは本人任せるなんて高度なことは全く出来ない。最初から最後までずっと隣についてみていないと本人は全くやらない。鉛筆の握り方から始まり、全ての作業に付きっ切りで褒めたり、違っていたら軌道修正してあげたり。間違いをそっと教えてあげると、プライドが傷つくのか激しく癇癪を起されたりするから本当に厄介だ。こちらのやる気も大幅にマイナスに低下。そこから負のスパイラルが始まり、家庭内の雰囲気も悪くなる。コロナにやられる前にメンタルがやられそうだ!と日々の葛藤がこれからも続くことになる。さすがにこの生活にも飽きてきているのか、時々息子がアルファベットのマグネットを並べて”SCHOOL”と訴えてくるのが涙ぐましい。しかし学校再開を誰よりも待ち望んでいるのは子供よりも親であると私は強く、強く訴えたい!だが今は我慢の時。人生の修行の一環と思って、出来るだけ子供と接する時は魂を抜いて接しようと試みるが、成功したことはない。誠に残念。
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