【第9回 世界のトップエンドアパートメント】(ホテル番外篇)マンダリンオリエンタル バルセロナ #2

というわけで、アフターコロナの時代は間違いなく自宅が一番大事な場所になる時代に違いありません。
前回に続きパトリシアウイキオラがデザイン監修した、我々のインテリアの参考にとてもなる五つ星ホテル「マンダリンオリエンタル バルセロナ」の第2回です。
【第8回 世界のトップエンドアパートメント】(ホテル番外篇)マンダリンオリエンタル バルセロナ #1
新型コロナのウイルスのおかげで落ち着かない日々ですが、在宅勤務や外出自粛などもあって自宅空間の重要さを再認識している方も多いのではないでしょうか? 仕方なく外出できないとすれば、ひたすらに鬱陶(うっとう)しい自宅ごもりですが、もしどこの空...

私、安藤忠雄に代表されるようなコンクリート打ちっぱなしのミニマリズム建築が基本好きです。やっぱり、美しさ、簡潔さにひかれます。でもことインテリアとなると、やはりミニマリズムのストイックさはちょっと冷たすぎますよね。
一方でヨーロッパの歴史的建築物、お城のような装飾的スタイルもキッチリ決まると素晴らしいですが、やはり現代日本に生きる我々には難しいスタイルですよね。そもそも天高がまったく足りません。
やはりモダニズムの簡潔さをベースにしながらも、とっ散らからない範囲で、ぬくもりのあるリラックス感が自宅インテリアには欲しい。
その点のバランスが、この「マンダリンオリエンタル バルセロナ」とっても素晴らしいと感じるんですよね。逆に言えばホテルっぽくない。

今回ご紹介するのは「テラスルームスイート」です。
いわゆる1LDK+Sのお部屋(ホテルですからKはないですが)。床がフローリング、天高もバカ高くないですから、日本の分譲マンションの基本スペックを彷彿とさせるお部屋なので大変参考になります。
Mandarin Oriental, Barcelona Review: What To REALLY Expect If You Stay
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リビング・ダイニングルーム

まずコンパクトなのが良いですよね。ダイニングテーブルも多分1800×1000程度。要は畳一帖ちょい。日本の間取りで良く使われるサイズです。

参考にしたいのが、ダイニングチェア。1800mmのダイニングテーブルって横に二人座って超余裕というわけではないですからね。足が金属、背もたれが軽量素材のコンパクト、軽快なチェアでこそ良いバランスです。

壁面も良いですよね。この黒く一部を塗る手法マネしたい。どうしても日本の分譲マンションデフォルトは、アイボリー系のビニールクロスで天井、壁面一式内装して、アイボリー系のナチュラルトーン統一ではい出来上がりですものね。清潔感があって良いのですが、やはりちょっとつまらないかもしれません。もう一方の壁面の緞子(どんす=布張り)パネルと相まって、1クラス上の空間に仕上がっています。

そしてなんといっても、このソファー。十分広くはない空間ですから、壁つけです。日本のマンションでも壁つけにせざるを得ないリビングはとっても多いです。

本来、リビングは、L字にしても対面にしても2ピース以上のソファやチェアがあってこそバランスが取れる空間だと思います。できれば避けたいのが1ピース。大きな3人掛けのソファでも1脚では正直バランスが悪い。せめて一人がけでも、もう1脚配置したいところですが、そうも言ってられない場合も多い。そんなときこういうシステムタイプで二人掛けソファ部とシューズロング要はデイベッドとしても使える部分が一体になっているソファは超重宝ですよね。この1ピース(実際はシステムソファですが)でサマになる。実際使っても、家族3~4人十分くつろげるほどのキャパシティーがあります。座面が低めなのも大事。要はソファにあぐらをかいてインフォーマルにくつろぐスタイルです。
もちろんデザイナーはパトリシアウイキオラ。B&B Italiaの製品ですね。
リビングテーブルも、足が金属ワイヤ。それにお盆をのっけたような構造で超軽い。狭い空間では、気軽に移動させられる重量であることも重要です。彼女のデザインが生活のリアリティに根差しているなと感じる瞬間です。同じくB&B Italia。
とにかく日本の集合住宅の床面積の現実を考えれば、リビングをファミリーリビングと割り切り、人を迎えることを前提にした応接室的フォーマルな感覚を捨てさることが大事だと思います。重厚な家具はかなり広い空間、天井高があってこそ成立するのが現実だと思います。

書斎コーナー

またこの書斎コーナーが良いんですよ。ほんとにコンパクト。実は奥に見えるのはトイレです。

要はお部屋ではなくてコーナー。
アフターコロナは在宅勤務やテレワークが当たり前になっていくと思われます。そんなとき、立派な書斎を構えられればもちろん理想ですが、そうもいかない場合でも、ダイニングテーブルと別にちょっとした書斎コーナーを作れればグッと自宅で仕事をしやすくなるはずです。
そんな書斎コーナーにこのコンパクトなワーキングデスクは良いですよね。人間は起きて半畳寝て一畳。ラップトップさえ置いて仕事できれば良いわけですから絶対的な広さはまったく必要ありません。2畳ほどで十分、狭くて良いからこのコーナーのように、せめてパーテーションできればさらに最高ですね。あっという間に仕事集中コーナーが成立します。

それと、テーブルに華を添えるのが、できればちょっとだけ奮発したいコンパクトオーディオ。

この製品は英国Bowers & Wilkinsのものでしたが、このホテルのデザインに影響を受けて私も書斎デスク用に購入しました。グッと書斎コーナーのクオリティーを上げてくれますね。今でも言うても5万円程度でかなり良いものが買えます。音質も仕事しながらあてていくぐらいの聴き方にピッタリですから、投資対効果はとても高いですよ。

ベッドルーム

日本の標準的な寝室空間より少し広めですかね。ここでも壁面の意匠が一貫しています。

ベッドエンドにスツールが置けるのがうらやましい。ちょっと腰掛けたり、着替えを置いたりベッドまわりの使いでと居心地が断然グレードアップしますね。日本の集合住宅だと150㎡を超えるような物件でしか、本格的なサイズのベッドを置いてしまうと実現しない、手が届きそうで届かない贅沢です。
そして一人掛けのソファ。これもあるとないとでは大違い。座って良し、着替えや雑誌などをポンと置いて良しです。

こういうタイプの一人掛けソファは、絶対に頭まで首を支える背面の高いものを選ぶべきです。オットマンも組み合わされれば完璧です。永遠に座っていられるやつです。ベルジャンソファーと呼ばれるスタイルですね。各メーカーモダンに解釈した気合の製品をラインナップしています。ちなみに、写真の製品はDePadovaのBergère 19。パトリシアウイキオラのデザインですね。前はCassina ixc.さんで扱ってましたが、今は日本で手に入らないかもしれませんね。日本に輸入されているヨーロッパの本格家具はほんとにわずかです(嘆!)。
Modern reading armchair Bergère 19 | De Padova
A reinterpretation of the traditional reading chair, Bergère 19 is a modern armchair with removable fabric and wooden details. Designed by Particia Urquiola.

とにかく、このマンダリンオリエンタル バルセロナの「テラススーイート」、通常時泊まれば1泊20万円以上ですからね。
確かにインテリアは内装工事、本格家具ともに安い買い物ではないのですが、家が仕事の場としてもくつろぐ場としても大事になるアフターコロナの時代。こんな空間を実現できるのであればマジメに投資する価値があると思いますがいかがでしょうか。

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