コロナ打撃、ANA、JALは当たり前に救済前提で良いのか?

新型コロナウイルス流行の収束への道筋は一向に見えてこず。ついに緊急事態宣言発令の事態となってしまいました。

生命・健康第一ですから経済のことは二の次とせざるを得ない状況かもしれませんが、経済の方も絶望的な状況と言わざるをえません。
普段ならば5%売上が下がれば不調、10%下がれば絶不調というのがどんなビジネスでも通り相場ですから、売上自体が10%となれば90%減ですから、もはやコメントもしようがありません。

緊急事態宣言で強制力はないまでも、現実的に営業できない多くの業種ではこれはまさにギブアップとしか言いようがない状況に違いありません。良くテレビ等でも取り上げられる、ライブハウスやカラオケ屋さんなどはすでに苦しいでしょうし、ここからは映画館や百貨店など大資本にもメガトン級の影響が出るはずです。

営業できないとなれば売上はゼロです。百貨店などでは外商や通販部門などでわずかな活動はできるかもしれませんが、たかだか知れているに違いありません。そうか、しかも今回は今までの不況と違って、社員を外に出しにくいですから外商も活動できないかもしれません。要はジタバタさえできない。悪あがきさえできないという点でもまさに未曾有の状況という他ありません。

さすがに大資本とは言え百貨店も厳しいですよね。店を閉めていても社員の給料は払う他ありませんが、すでに業績不振の状況は長く、地方の不採算店のクローズでなんとかしのいできていたわけですが、ここで命運を断たれるかもしれません。すでに関連して百貨店を主な販路としていたかつての花形アパレルの苦境が伝えられています。こういう関連産業も含めて、長引けばかなり苦しくなるのではないでしょうか。
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もはやここまでくるとあまりにも尋常でなさすぎますし、出口があと何か月後になるかもわかりませんので、何がどうなっていくかまったく見通せませんが、注目しているのは航空業界に対する国の救済スタンスです。

もちろんこの状況ですから、航空業界は世界的に壊滅的な状況です。もちろんANA,JALとて例外ではなく飛行機を飛ばせようが飛ばせまいが膨大な人件費は変わらずかかりますから、毎月1000億円の赤字を垂れ流す状況とのことです。
「ANAとJAL」コロナ禍で被る途方もない衝撃
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による需要急減が、航空会社の経営に打撃を与えている。ANAホールディングスや日本航空(JAL)は大幅減便・運休などで対応しているが、感染の終息は見通せず…

でも一つ気になるのは、今回の新型コロナ流行があまりに天変地異的な事象なので、当の航空業界関係者側にJALが破綻した際のような緊張感がちょっとないなと感じる部分です。もちろん役員が減俸したりはしているのですが、極端に言えば「今回はオレたちのせいじゃないし、どうせ国が救ってくれるでしょう。」というような空気感を確実に感じるのです。そして実際、その通りどんな状況になろうとも、日本にとって重要な航空インフラ維持のために最優先で救済されるような気がします。実際、航空産業というのは主要政治家とも近い関係です。

(イラスト:AC)

でもそうなってくると、整合性がとれなくなるのが、他の産業ですよね。
先述した百貨店やアパレルは、どう転ぼうとも航空会社のようなレベルでは救われないはずです。もちろん飲食店やかカラオケ屋は2百万円もらったり、無利子で何百万円か借りられるかもしれませんが、その先はつぶれても自己責任に違いありません。

どうなんでしょうね。今は緊急事態ですからそんなことにも気が回りませんが、天変地異も含めて自己責任という資本主義のルールから考えると、航空会社だけは絶対救われるに違ないという予定調和はちょっと納得がいきません。しかも救済のために投入される税金も下手をすれば兆円単位です。

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