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もちろん、芸能関係者というテレビ等を通して我々が良く知っている有名人の罹患なので、認知バイアスがかかってより過大な印象で評価してしまう部分もあるかなと思いますが、ちょっと考えさせられてしまったのがスタジオの劣悪環境です。
もちろん、今回、宮藤官九郎さんがスタジオで罹患されたということが特定されたわけではないですから、その具体的なお話とは別として私も広告業界の端くれとして、スタジオで仕事をすることは他人ごとではありませんから、あらためて考えてしまったという次第です。
広告業界はあまり利用しませんが、テレビ番組収録用のスタジオも、生放送とか音録りを同時にやる前提だからですかね、完全に密閉されているようで換気は悪そうですね。照明や撮影用の機材からの熱やホコリも壮絶に多そうですし、もちろん対策されているでしょうが、くれぐれも機械換気に限界はあります。

でも何よりことこうなると劣悪なのが、MAや編集スタジオと呼ばれる撮影後の編集や音入れの行程で使われるスタジオです。多くは10~20畳ぐらいの空間の真ん中に編集卓が陣取り、広告業界で言えば編集卓に編集専門エンジニアその周りを監督とかプロデューサーとか、代理店(笑)、クライアント等が立ち会ったりします。
この空間が何せ完全な密閉空間なんですね。編集と同時にナレーションを録音したり、音の調整をしたりもしますから、完全防音で窓もありません。しーんとしていて照明も落としてあって、長時間作業に耐え得るようフカフカのカーペットに、ゆったりした作業用のいすやソファーなどが設置されていてある意味居心地が良い空間なんですが、どう考えても密室空間の極みです。
(写真はあくまでイメージです:TSP)
特に、これは実は今までも気にはなっていたのですが、このスタジオの防音に使われる建材が基本「グラスウール」なんですよね。石綿とは言いませんが、あのガラスを繊維化させてシート化したやつです。発がん性を特定されている石綿ほど騒がれていませんが、いつも思ってたんですよね。絶対、肺に刺さると。もちろん広告業界やテレビ業界で使われるスタジオは基本立派な仕様ですから、内装は緞子張り、つまり布張りでフカフカに内装されていたりしますから、グラスウールがむき出しということはないんですが、でも内装面の裏には必ずグラスウールがびっしりと貼られているハズ。
(グラスウール写真:Wikipedia)
学生時代よくバンド練習で使っていたようなスタジオは、もちろんおんぼろですから、内装が剥げてよくグラスウールがむき出し、ボロボロになっていました。今考えると結構ゾッとするような絵ですよね。どれだけグラスウールを吸い込んだか知れたもんではありません。
そう考えると編集スタジオの、いくらキッチリ内装されているとは言え、グラスウールに囲まれ窓もない、何十年も色んな人間が出入りし、もっと言えば結構前にはその中で延々タバコを吸いながら作業していたような空間って、実際空気はどうなっているんですかね。
以上、今回の新型コロナウイルス流行で、普段あまり気にしていなかったような健康リスクが気になったりもするのでした。
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