中国人のユニクロTシャツ転売特集、フジ「とくダネ!」さんの放送内容がちょっと残念。

なんだかなぁ。小倉さんも好きだし今朝もなんとなく見るともなく見ていたのだけど。
今日の番組で特集していたのは、日本のユニクロでKAWSコラボTシャツを中国人が買い占めてネットで転売している様子。さも大悪行が行われているような報道っぷりなのだが、ちょっとちょっと。
そもそも、この企画自体に例の中国ユニクロでKAWSコラボTシャツに人が殺到して一大狂騒曲があったことを受けて、ここで面白おかしく報道して中国人をいっちょ茶化してやろうという感もあり、この番組が何を問題視しているのかがまったくわからなかったので残念だな~。

そもそも、ネット転売が悪いことか?というと、まったくの合法的な行為で、何ら問題ない。むしろ、限定Tシャツを手に入れたいけど時間のない人と、並んだり多少苦労してでも手数料が欲しい人をネット社会だからこそマッチングできる、とても市場的で民主的な行為でしょう。この点は、ゲストコメンテータの夏野剛さんが「市場価格形成」という冷静な視点で解説されていて救われたのだけど、フジテレビのキャスターの方はわざわざネット転売を規制する中国の新しい法律まで引き合いに出して問題視しようという始末。おいおい、あなたは中国共産党の手先なのかい。せめて民放ぐらいは、民主主義や市場主義の側に立て欲しいものです。

さらにこの企画では、ユニクロ側の「一人一点限り」という規制に対して、一人で複数枚仕込んでる人がいると。おいおい君は小姑かいと。わざわざ、どっかの弁護士に「詐欺罪」「業務妨害罪」にあたる可能性があるという企画内容に都合が良いコメントまでさせて問題視していたけれども、怪しいところだと思うけどね。法律論的にも。そもそもユニクロ側がどこまで厳格に「一人一点限り」を守らせようとしていたかが前提になるだろうけれど、昔も今も特売で何度も列に並ぶ光景は賑やかしみたいなもので、店側もそんな目くじら立てちゃいないんじゃないかな。実際には。そもそも、何か問題があれば私企業であるユニクロとその人で話合えばいい話で、なんでわざわざ公共の電波使って、大企業側にたって煽り立てるんだろう。
この話メディアに取り上げられて一番うれしいのは間違いなくユニクロでしょうに。報道として取り上げるならば、騒動になることが予見されるのに話題性のために十分な量を供給しないユニクロ側の商法を指摘したほうが、まだジャーナリズムとしてのセンスはましだと思うのだけれど。

しかも、それをやらかしているのがもっぱら「中国人」だという国籍で悪行を断罪するようなスタンス。そもそもそれは事実なのかな。いやそういう傾向があるとして何パーセントが中国人なんだい。中華系の人が多いとして、香港や台湾の人はいなかったのかな。中華系のアメリカ人は?日本人だってゼロではないのでは。やっぱり国籍とか人種というセンシティブな内容を、ここまで雑にバイアスをかけて扱うのはいかがなものなんでしょうね。

それにしても、商売っ気がある中華系の人々を冷笑している日本人ってなんなんだろうね。今時、意欲のある中華系の人は世界で大変に活躍していて、日本人よりはるかに良い生活をしている人はごまんといる。特にアジア全域で中華系の経済力は目を見張るものがある。一方で日本人の生活は必ずしも豊かにはなっていない。年々都心では新築されるマンションの専有面積も狭くなり、60㎡とか70㎡とかに家族が住むのがやっとな始末。ユニクロにむらがる中国の人を茶化している場合ではまったくないと思うのだけど、どうなんですかね。

好きな番組だけに、ちょっとお小言が厳しかったかもしれませんが、小倉さん、夏野さん、信頼している方々が関わっている番組でもあります。毎日の放送大変だとは思いますが、ぜひよろしくお願いしますね。

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