【第4回大塚家具緊急応援企画/死ぬまでに買うべき絶品家具】ポルトローナ・フラウ「レプリ」オットマン

快適な空間・インテリアを考えるとき、とにかく広くて大きければ良いという考えは捨てるべきと思います。

狭い空間を求めたマリー・アントワネット
ホテルも広い部屋の方が快適とは限らない
ますます狭くなる日本人の居住空間
オットマンは万能
一脚で、狭い空間が豊かになる「レプリ」のオットマン
製品スペック
死ぬまでに買うべき絶品家具他　秋月涼佑　建築・インテリア記事一覧

狭い空間を求めたマリー・アントワネット

マリー・アントワネットが寝室まで一般人見学可能だったベルサイユ宮殿での生活を嫌い宮殿の敷地の端のプチトリアノンに引きこもることを好んだのには色々理由があったとは思います。それにしてもベルサイユ宮殿の生活空間としてはまったく落ち着かない広大さ。特に天井の高さは10ｍぐらいありますから、確かに豪華を通りこしてあれでは体育館で生活するようなもので、まったく落ち着かない様子を見ればそんな気持ちも良く理解できます。
一方でのプチトリアノンは、もちろん立派なものですが、日本でもその程度の屋敷に住んでいる人は結構いそうな(言ってみればデヴィ夫人の家のようなもんです)、現実的な狭さ、空間感覚が印象的でした。

ホテルも広い部屋の方が快適とは限らない

ホテルにしても、私はホテルクライアントさんの仕事も結構してすべてのタイプの部屋に泊まる経験もしましたが、どの部屋も基本的なつくりは同じで(もちろんデラックス、スタンダード等でちょっとだけ違いますが)、広さだけが変わります。スイートルームにしても、一部の大型高級ホテルのスペシャルなスイートルームは確かに別格仕様ですけれど、普通のホテルのスイートルームはただ同程度のリビング用家具が入るだけ、同じ仕様なんです。どうしてかといえばその方がメンテナンスしやすいからです。ホテルは設備産業であると同時に日々のリネン替えや清掃などが主な仕事です。そんなとき色々なサイズ、仕様のリネンや家具だと非常に効率が悪いわけです。
色々泊まってみて感じましたが、むしろ狭いぐらいのワンベッド(確かにベッド自体はクイーンサイズ以上は欲しいですけれど)の部屋の方が落ち着いたりします。

要はだだ広ければ良い空間になるというわけではないということです。

ますます狭くなる日本人の居住空間

もちろん一方で、収納もままならない狭すぎも問題ですよ確かに、
日本の住居空間は昭和の時代「ウサギ小屋」と世界からバカにされたわけですが、何せ新築、新築の普請文化ですから世代も更新されて建物や空間の質はかなり良くなったっとは思うのですが、絶対的な広さではまだまだです。
東京で言えば63.39㎡。ここ10年横ばいか、販売坪単価の上昇傾向を受けてむしろやや面積が狭くなりつつあります。
新築マンション専有面積
いやー厳しいですよね。60㎡台。家族3,4人では収納も考えれば快適な空間にするのが至難の面積ですが、これが日本の現実です。

結論から言いますと、快適な空間を実現するのに広すぎる必要はないけれど、狭いのならば相応の工夫が必要ということです。

オットマンは万能

そのとき、絶対重宝するのが小さなオットマン(スツール)。
でもなぜか日本人には習慣がないせいなのかソファセットは買おうという意識があっても、オットマンに対する意識がすっぽり抜けてしまっています。でもオットマン＝小さなスツールほど、便利で、見た目にも空間を整えてくれる家具は他にないのです。
まず小さくて軽い。臨機応変に動かして使える、掃除のときも楽。座ることもモノを置くサイドテーブルにすることもできて、子供がお絵かきしたりにも使えます。
何より狭いということは座ると同時にそのスペースを人が通るわけです。そう、銀座のクラブの作りが壁際の客側はソファー、女性の座る通路側がまさにこの小さなスツールで構成されているのにも理由があるわけです。