本連載では高級か否かはともかく、西洋の本格家具の歴史や文化的文脈に沿う家具にこだわっていきたいと言ってきました。
我々も海外に行くと往々日本食レストランに入ると「これは日本食ではない!」と叫びたくなることがありませんか?しかもそれが結構な高級店だったりもします。
残念ですが、日本製の西洋家具に「なんちゃって!」なものが多いことも否めない事実だと思います。
でも安心してください。
あるんですよ日本にも、世界のどこに出しても恥ずかしくない本格的な西洋家具を作るメーカーが。
圧倒的な製品自身の訴求力
私がはじめて「松創(まっそう)」の製品に出会ったのはまさに大塚家具でです。まさに本連載でも紹介する世界に錚々たるポルトローナ・フラウやベイカーのコーナーに並ぶ形でコーナー展示されています。まず圧倒的な木目の美しさに惹かれます。
なんでもシカモアやバーズアイ・メイプルなどの銘木を磨き込み何重にも塗りを重ねた、まさに職人が手間暇をかけた逸品であることが一目で伝わってきます。

まさに松創の家具がそうなのです。予備知識なく製品を見ても圧倒的な良さが伝わってくるのです。
漆塗りの文化にも通じるそこはかとない日本の手仕事の良さを感じさせる松創ですが、なるほど系譜を見ると源流が安政2年とあります。
松創沿革
実際に和家具もたくさん手掛けていて本当に魅力的。特に外人さんはこういうの大好きです。彼らは西洋の空間に本当に上手に異文化の家具や装飾品を取り入れますよね。
そんな日本の伝統工芸の良さを感じさせる松創なのですが、西洋家具も本当に自分のものにしている。
まずサイズ感。日本製のなんちゃって家具の何がイヤだってカタチだけ西洋家具なのに、サイズ感を日本の狭い空間に合わせるために無理やり寸詰まりにしていて完全にフォルムがおかしいことなんです。そんな家具なら置かない前提のやり繰りをした方がよっぽど快適な空間になるというものです。
松創の西洋家具シリーズは本場の高級家具にも負けないぐらいの堂々たるサイズ感。座面も結構高かったりします。
まさに日本の高い技術と西洋の家具文化の高度な融合が実現していて出色の製品群という他ありません。
ただし、あまりにも素晴らしいものなので安くはないですし、テイストは明らかにラグジュアリー志向なので、ホームページの事例にあるように空間丸ごとオーダーする方が家具だけ浮いてしまうリスクが低いかもしれません。正直一般家庭には荷が重いレベルの大きさと重さの重厚な本格的過ぎる家具たちなのです。
実際にヨットの内装も実績が多いようで、富裕層が予算と時間的余裕をしっかりもってオーダーをお願いしてこそ真価を堪能できるブランドかと思います。
私自身は、素晴らしい松創の和家具を外人さんがセンス良くやるようにアクセント的に自分のインテリア空間に取り入れられないかと虎視眈々と狙っているところです。
一昔前ならば間違いなく百貨店が扱うべきブランドですが、今や百貨店で家具売り場などお目にかかりません。そんな時代に、こんな素晴らしい家具との出会いの場を提供してくれる大塚家具さん。
私が応援する由来でもあります。
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