アラン・ドロン引退。ハンサムガイの歳の取り方をこれ以上見れず残念

さすがにアラン・ドロンの最盛期は同時代ではないのだけど、子供心にもテレビで見た名画放送などで、その美しさはインパクトがあった。俗に「吸い込まれるような瞳」という言葉があるけれど、アラン・ドロンの青い瞳とクールな表情はまさにミステリアス。「世界一美しい」という無茶苦茶に期待値を上げる形容詞に耐えられる人類はそうはいない。

アラン・ドロン引退! “カンヌ”で見せた涙の理由 | AERA dot. (アエラドット)
「インドシナに3年いてフランスに帰ってきた。パリである女性と恋に落ちた。何をしたらいいかわからず途方に暮れていた僕に、彼女が“カンヌに連れていってあげるわ”と言ったんだ。僕は“カンヌで何があるの?…

彼自身がこのインタビューで語っているように、何するあてもなかったお兄さんが彼女に引っ張られてカンヌに行って俳優デビューするという体も良いよね。
やはり優男は天然ものでなくちゃ。計算高くてはその時点でダメ。破天荒でも許されるぐらいだ。
(秋月涼佑過去記事 「ショーケン、内田裕也 破天荒が去った日本の寂しい風景」

レナウンのダーバンとかマツダのカペラのCMに出ていたことでも有名。
昭和の日本はやはりヨーロッパへの憧れがピュアにあった時代。
アラン・ドロンがあの鼻にかかるフランス語で語りかけるCMは、外タレ珍重時代の古典で、今YouTubeで見てもなんかシビレます。

アラン・ドロンのダーバンのCMでフランス語を学ぶ。

「D’urban, c’est l’élégance de l’homme moderne.」
(ダーバン、それは現代の男のエレガンスだ)

しかし、普通にしゃべるだけでカッコよくなってしまうとは。

最盛期を過ぎて歳をとっていく彼を見るのも、それはそれで楽しみだった。
老人と言って良い年齢の男性が、タキシードでびっしと決めて、孫ほど若い女性をエスコートするのを普通に見かけるヨーロッパ、特にフランスのこと。カンヌだモナコ(フランスではありませんが)に行く楽しみはそんな大人を見ることでもあります。

「世界一美しい男」が、どう歳をとるのか非常に興味深いのです。
何せ「世界一美しくない男」とて歳はとるわけで、人類の最高出力を確認したいというような思いです。
いや、実際83歳にして本当にカッコよかったと思います。
もちろん歳はとっている。でも、何より自分の人生に納得している感じが伝わってくる。
アラン・ドロンだってそりゃあ色々あったわけで。
これが、本当の”C’est la vie”(これが人生)ってやつでしょうか。

記事の更新情報をお届けしています。ぜひフォーローください。

タイトルとURLをコピーしました