【第7回 豊洲市場で朝食を】そば処「富士見屋」 かき南蛮1450円

肌寒さを感じる頃になると、無性にかき南蛮を食べたくなります。

牡蠣という数ある海の幸の中でも抜群のスター性をもつこの方。英語の月の呼称最後にerがつく月が旬などとまた一筋縄でいかない説明がされますがSeptemberぐらいから食べ始め、さしずめNovemberなどは旬真っ盛りになるのではないでしょうか。

牡蠣を生で食べるときの、豊潤で滋味(じみ)豊かを食べ物にしたような味も素晴らし過ぎるのですが。オーブンで焼いたり鍋にして火を入れたときの味もふっくらとした弾力に噛み応えの食感が出てまた格別です。

そんな火を入れたバージョンの牡蠣を手軽に堪能できるベストクック(by 寺門ジモンさんの肉チャンネル)の方法の一つがかき南蛮であることに賛同いただける方も多いのではないでしょうか。

さて豊洲市場のそば処「富士見屋」さんです。

先回ご紹介した「天房」さん、いつも行列大人気「大和寿司」さんに挟まれての店構え、この3軒のみ出店の青果棟のお店です。

実は「富士見屋」さん並んでいるのを見たことがないです。両隣りが行列のお店ですがいつでも入れます。
もちろん美味しいお店に違いはないのですが、やはり観光で来られる方にとって、わざわざ遠方より来て「普通のお蕎麦~??」ということなんだとは思います。

でもだからこそぜひ訪れて欲しい。
本連載では繰り返し主張していますが、豊洲市場グルメのひとつの方向性は、何も特別に高級なネタのお寿司を堪能するだけではありません。あくまで市場で働く方たちが食堂として普段使いしているリーズナブルでごまかしのない味をちょっとご相伴させてもらうことにも面白さがあると考えます。

もうひとつ豊洲市場グルメの特徴として、味が懐かしいというのがあるかと思います。
何せ昭和10年開業の築地市場から移転してきていますので、伝統の味。昔からの味を再発見できるということがあるかと思います。

そういう視点で見たときに、「そば処富士見屋」さんまさにそんな条件にピッタリ合うのです。
まず、「富士見屋」というケレンミのない名前が良いじゃないですか。
こういっちゃなんですが、場内の観光目当てで一気に商売っ気満載の方向にかじを切ったお店が多い中。もったいないぐらい淡々としたスタイル。本当に普通のお蕎麦屋さんなんです。

店内は市場の喧騒にあって静謐と言っていいほど落ち着いた空間。
他に場内なかなかありません。

さあお目当ての「かき南蛮」

南蛮とはなんぞや?という疑問はありますが、調べましたが諸説入り乱れよくわかりません。
江戸時代から蕎麦屋で使われていたことは間違いないようですね。
まあそんな言葉の定義やなんだとせせこましい発想から自由なことも食の良さなわけで。。

かきがぷっくり笑っています。

間違いなく大ぶり特級品の牡蠣です。さすが市場というモノです。
ネギとの相性がバッチリ。
心の底からほっこりする味。

つゆやそばは、本当にスタンダードな甘みをほんのり感じさせるお味で間違いのないものです。

大人だな~。
大騒ぎせず、季節がきたらふらっと「かき南蛮」を食べる。
そんな池波正太郎先生のような大人にあこがれています。
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