好きだからこそ、BS朝日「土井善晴の美食探訪」の企画変更が残念

私は活字中毒、音楽中毒、映像中毒、ネット中毒すべてに当てはまる人間なので、昔から仕事を除いてもどんなメディアにもちょっとただならぬぐらい接してきました。
例えば新聞で言えば、地方に出張に行けばホテルの朝食レストランでその地の地方紙、日経、全国紙、下手すれば英字紙もあれば斜め読みしますし、それは至福の時間以外の何物でもありません。
例えば雑誌などもいまだにただならぬ数を購読しています。
デニーズ 読売新聞朝刊サービス
朝食によくファミリーレストランを利用させてもらってます。 朝から和定食でもコンチネンタルブレックファストでも手ごろに選べるのはありがたい限りですし、最近では本格的なコーヒーサーバーを使っての美味しいコーヒーが飲み放題なのもうれしいです。 ...
そんな私でも時間には限りがありますので、動画コンテンツは一番見るのがYouTube、まとまったドラマや映画はNetflixかAmazone Prime。ゴルフ中継はCSのゴルフチャンネルとかスカイA、もしくはBSのWOWOWです。
結果ほとんど見ないのが地上波となっており、ギリギリ放送系で数少なく楽しみにしていたひとつが、BS朝日「土井善晴の美食探訪」です。
土井善晴の美食探訪 | BS朝日
BS朝日「土井善晴の美食探訪」の番組サイト。今、最も旬の料理研究家である土井善晴のグルメ番組がBS朝日で放送!全編を4Kカメラで撮影。究極の逸品を美しい映像で紹介、視覚をも刺激します。

この「美食探訪」がこの10月改編で、月曜日の19時から火曜日の21時に枠が移るということで、しめしめ見やすくなるぞ!と喜んでいたら。なんと色々な場面で改悪されているではないですか!

(写真BS朝日ホームページ)

改悪ポイント1 番組枠が2時間から1時間に減ってしまった‼

もちろん私も業界関係者の端くれとして事情は良くわかりますよ。今時2時間枠なんて、しかもバラエティでもなく、固定ファンはいるだろうけれど、他の視聴者属性を2時間排除してまうような番組がBSとは言えゴールデンど真ん中に陣取るなんてありえない。というテレビ編成の考え方。
でもその稀有な2時間枠が本当に良かったんです。土井先生一人が出ずっぱりの2時間という贅沢。ゆったりじっくりまったりと飽きることなく豊潤な時間を楽しめた。いかに1時間枠があくせくしているのか思い知らされました。まして30分番組など。。
そんな実験的とさえ言えた2時間のグルメレポートドキュメンタリーが当たり前の1時間になってしまった。
不思議とあの崇高なオーラは消え、良くある普通の食レポテンプレート編集に感じてしまうのは私だけでしょうか。

改悪ポイント2 超高級店が減った

これも尺が短くことになったことに由来するのですが、前シーズンまであった「家庭画報編集部おすすめの店」の企画がなくなりました。
家庭画報.com|“素敵な人”のディレクトリ
選りすぐりのレストラン、手土産、毎日のレシピ、旬のファッション、資産価値のあるジュエリーなど、人生を豊かに彩る情報をお届けします。

あの家庭画報ですよ。私はエディトリアルデザイン、写真、記事どれをとっても日本一のクオリティマガジンという評価を揺るがしたことはかつて一度もありません。(さすがにこれからの生き残りは半端でなく厳しいと思いますが。。。うー。その点も残念)
さすがに紹介され取材される店のレベルがハンパなかった。
まさに食の文化を究めた店ばかりでした。

いやこれも事情は分かるんですよ。最近テレビで超高級店を取り上げると、「誰がそんな店に行けるんだ!俺たちはそんなカネないぞ!」と非難されるらしいんですよね。それがゆえにテレビ特に地上波で紹介される店はどんどん庶民的な店になってくるという現象。
いや私とて日常生活でそんな店に通えるわけじゃないですが、良いじゃないですか。行けないからこそ。食文化の粋をテレビを通して知ることができれば。ましてシェフと土井先生、プロ同士の会話からは、食の奥深さを知ることができたのに。

改悪ポイント3 芸能人をゲストに迎えてのバラエティっぽい演出


(写真BS朝日ホームページ)
土井先生とはしのえみさんというミニマルな落ち着いたスタイルが良かったのに、著名タレントが紹介する体のバラエティっぽい演出。まあ普通です。
タレントさんにも出てもらえば、番組の幅も広がるし、タレントさんのファンなどそこまでストイックでない層にもアピールするだろうという気持ちは分かるのですが。
そんな番組他にも腐るほどあるわけで、この番組のユニークさを薄めないで欲しかった。
しかも、アカン。土井先生がゲストに気を付かっているではないですか。
これでは美味しいに決まっているというよりも。美味しいという言う他ないお店ですよ。。

なぜ大向こう受けする番組作りがこれからダメかの理由をちょっぴり

と、番組を愛するがゆえに文句をタラタラ書いてしまいましたが、
番組企画サイドの考え事情は良く分かります。
きっと私の方がかなりニッチで、多くの視聴者に見てもらうべきテレビ番組は逆に私のようにニッチな感性の人間に刺さっている場合ではきっとないでしょう。きっと。

でも、メディアを取り巻く環境は激変しています。
今まで圧倒的なマスメディアとして、とにかく多くの人に見てもらうことが使命だったテレビ放送のアドバンテージだった「放送」という手法は今までと逆に視聴者を稼ぐうえで足かせになっていきます。
なぜでしょう。「放送」を受信するためにはアンテナが必要だからです。
5Gの時代、視聴者のボリューム層をねらっていけば確実にネットに負けます。
なぜならスマホからも、タブレットからも、大型の液晶テレビからさえネット接続のほうが簡単確実な環境にどんどんなっていくからです。

そんな時代にテレビ局がネットに少なくても現時点で圧倒的に勝てるのは番組クオリティに他なりません。
私はそんな時代も見据えてのBS朝日が志高い番組実験をしているものだと思っていましたが、
それはちょっと勝手な妄想ではあったようです。

とはいえ、改悪されたとは感じていますが、今でも好きな番組ではありまので、今日も番組を楽しみにしています。

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