東京の未来 – 中央防波堤埋め立て地

石原都知事時代には一部エリアを「海の森」として安藤忠雄氏に委嘱して植樹活動を行っていたことでも有名な埋め立て地ですね。
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それにしても、安藤忠雄氏です。
一時はオリンピック招致の晴海競技場案にも関わり引っ張りだこで、
何より新国立競技場コンペの審査委員長として決めたザハ・ハディド案をひっくり返されるという、
今や大家となった建築家としてこれ以上メンツのない成り行きに対して
ほとんどノーコメントを通したことがあまりにも印象的でした。、
その後は以前ほど公職的な仕事への関わりを見かけず、体調的なこともあるのでしょうが、
さすがの闘う建築家も、コリゴリなのではないかと心中を察してしまいます。
下の新国立競技場の設計案決定までのいきさつについて書かせていただいた私の原稿でも、
さすがに安藤忠雄氏の心中にまでは、ハンパに触れることができませんでした。
【アゴラ掲載】隈研吾設計・新国立競技場に見る「日本人の選択」
隈研吾さん本当に売れに売れまくってますよね。記事で取り上げた新国立競技場やJR東日本の高輪ゲートウェイ駅といった公共的なものから、渋谷駅の再開発ビル、はたまた中目黒には「スターバック スリザーブ ロースタリー」といった商業施設まで。とにかく

すでにそんな多くの関係者も巻き込んできた「中央防波堤埋め立て地」なのですが、江東区と大田区で取り合いになったとのことですが、当然の成り行きではあります。

東京都の都市計画は丹下健三氏の都市計画「東京計画1960」の影響を常に大きく受けてきました。
いや影響を受けてきたどころの話ではなく、基づいてきたと言った方が正確かもしれません。
東京計画1960 | 丹下都市建築設計
丹下都市建築設計の事例紹介:東京計画1960


(図版資料:丹下都市設計HPより)

私の手元には絶版となった一冊の小説があります。
サブプライム以前に一世を風靡した新興マンションデベロッパーの社長が、10年以上前に匿名で書いた小説です。
あまりに正確な予言に満ちるその本は一種の奇書の類とさえ感じています。
その書には、東京オリンピック招致や築地市場移転や湾岸再開発の見通しがほぼ正確に描かれています。気まぐれな民意でコロコロ変わる都知事などに影響されず、都官僚の中枢でいかに丹下健三氏の青図が重要視され、営々、代々それを実現するための一子相伝の取り組みが行われてきた機微が非常に良く描かれています。

ご存知の通り丹下健三氏は昭和の時代を通して都政に大きな影響力がありました。
旧都庁も新都庁も丹下健三氏ですし、それ以外にも都政関連の作品が非常に多いだけでなく、
東京都都市計画のマスタープランナーだったのです。

その青図と重ねれば中央防波堤が、氏が描く皇居から伸びる都市軸のど真ん中に重なることが分かります。
それをx軸とすれば、羽田空港、アクアラインとも接っし千葉、神奈川に向かうy軸の交差点ともなり得る立地であることが分かります。

埋め立て地のことですから、土地が落ち着くまですぐに超高層を立てられるわけではありませんが、
羽田空港を拡張させながら移転させていくとか、50年、100年の時間軸を見据えての活用法はいくらでもあります。
羽田国際空港に隣接し周辺に学校等があるわけでもありませし、とにかく広大ですからIR用地にも当然適します。

ちなみに、東京ビッグサイトと青海に挟まれた有明4丁目には、この中央防波堤に連絡する広大な埋め立て地がすでに結構な年月倉庫として寝かされています。この土地も含めて、江東区にはとんでもなく面白い未来がありますね。

最後に先ほどの予言書によれば、この都市軸を皇居、銀座方面から羽田空港に向かって直進する地下鉄は既定路線として書かれています。
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